2024年11月16日土曜日

【第840号】グローバル・ヴィレッジ

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 


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ツイッターが日本で流行りだした2008年ごろ、

読みあさっていたマーシャル・マクルーハンを

今週は思い出していました。


活字の登場が、人間や社会にどのように影響をもたらしたのかの歴史的考察から始まり、

電話、テレビの時代、そして、

電子メディアによって世界が瞬時にしてつながる状態での

人間と社会まで見通したマクルーハンは、

現在のような状態を「グローバル・ヴィレッジ」と呼びました。

直訳すると「地球村」。


なんだかメルヘンぽく聞こえますが、

彼はその危険性を60年代から予見していました。


世界はコンピュータ、つまりSF小説に描かれている電気的頭脳そっくりになってきた。

私たちの感覚が外に出ていくにつれ、ビッグ・ブラザーは中に入ってくる。

この力学に気づかない限り、私たちはすぐに部族の太鼓と

全体的相互依存と二重焼き付けになった共存の小さな社会にふさわしい

パニック的恐怖の段階へと入っていくだろう。

恐怖は口承的な社会の常態だ。

私たちはこのような部族的帰結を受け入れるつもりはない」*



「部族的帰結を受け入れるつもりはない」としたマクルーハンですが、

2024年の今は、ツイッターのような短文の活字ではなく、

1分、2分、または数十秒の動画(そして、バズれば金儲けになります)が

伝達手段となるような「口承的な社会」。


この空間にとどろく太鼓の音に操られないためには、

どうすればいいのか?

思い巡らした一週間でした。



*引用文献

『グローバル・ヴィレッジ 21世紀の生とメディアの転換』

マーシャル・マクルーハン(著) / ブルース・R・パワーズ(著) / 浅見 克彦(訳)

青弓社 https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787232199/



= 関連記事 =


■県知事選、市長会有志22人が異例の稲村氏支持表明 

「誹謗中傷や誤解広がり懸念」緊急的な対応強調

神戸新聞NEXT 2024/11/14 

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202411/0018339390.shtml


思い巡らす一因となっている兵庫県知事選挙。

市長さんたちが懸念を表明せざるを得ないほど、

ネット上には誹謗中傷や「デマ」が拡散されています。


これは兵庫県にとどまらず、

「グローバル・ヴィレッジ」的帰結なのかと思ったり・・・。

ここで必要とされるのは、建設的対話や創造的対話と、

マクルーハンは考えていたことも、思い出しました。

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★




++ 兵庫県知事選の混乱に関するニュース ++


■斎藤前兵庫県知事はパワハラしていない? 

職員の4割が見聞き、本人は厳しい叱責など認めて「必要な指導」【ファクトチェック】

日本ファクトチェックセンター 2024/11/15

https://news.yahoo.co.jp/articles/5976ed02c65aef5cb3ef0eb1d4100f3449d906d2

「兵庫県議会の不信任決議で失職した斎藤前知事はパワハラはしていないといった言説が拡散したが、根拠不明。県職員へのアンケートでは実際に目撃などで知っている人が140人、間接的に聞いて知っている人も含めると回答者の4割を超える。本人も「厳しい叱責」「机を叩いた」ことなどを認めており、「必要な指導だと思っていた」と述べているが、パワハラの定義にあてはまる行動だ。」



■稲村和美氏支援の団体が「Xアカウント凍結」に声明 「組織的な一斉通報」訴える

J-cast ニュース 2024/11/15

https://news.yahoo.co.jp/articles/b5cb0d388d76e304d03ad964bf775c4c5c8f2db2



このような混乱がもたらす影響についての記事です。

    ↓

■民主主義を揺るがすフェイク情報

~米国大統領選に見る影響力の実態~【調査情報デジタル】

TBS NEWS DIG 2024/11/16

https://news.yahoo.co.jp/articles/ed844787c3c35204d13cae2f9c79ca25bfd0a0bd?page=2

「フェイク情報が怖いのは人々の投票行動を変容させる可能性があるためだ。私は2020年に、2人の政治家に不利なフェイク情報を提示し、読む前後で人々の支持の分布がどのように変化するか、実証実験を行った。その結果、少なくない人が誤情報を知ってその政治家への支持を下げていた。これは政治的イデオロギーに関係なく両方の政治家で起こっていたのである。

 さらに、弱く支持している人ほどフェイク情報を読んで支持をやめることが明らかになった。このことはフェイク情報が少なからず選挙に影響を与えているということを示唆している。」



++ 今週の気になるニュース  ++


■敦賀原発2号機、不合格正式決定 再稼働認めず、規制委が初判断

共同通信 2024/11/13

https://news.yahoo.co.jp/articles/4a689ba3b9feb9cb9004832334b5692e6558e64e


原子力規制委員会が初の「再稼働認めず」の判断。

しかし、各地で古い原発が動き出しています・・・。


■午後6時「発電再開」機器トラブルのため原子炉を一旦停止していた

女川原発2号機 東北電力

東北放送 2024/11/15

https://news.yahoo.co.jp/articles/e0814947a921fc320f9973643437816bd100e6ba


■国内最古の運転中原発「高浜1号機」が運転開始から50年 

2025年6月施行の「GX脱炭素電源法」で60年超運転も可能に【福井】

福井テレビ 2024/11/14

https://news.yahoo.co.jp/articles/1db1f6c7a6bef07ed4c729bb9407fda630f991a2


■高浜原発1号機、運転開始50年 地元住民「危険性に不安尽きない」

毎日新聞 2024/11/14

https://news.yahoo.co.jp/articles/5de799232246c78dae85dafdd550574471fad0e2


高浜原発は、神戸からも90キロほどしか離れていない原発です。

事故が起きえれば深刻な影響を受ける私たちの頭越しに決められる政策。

おかしいです。




++ イベント紹介 ++


☆ヒューライツ大阪設立30周年記念シンポジウム 

「人 権 - いま、ここで生きるために」

日時 :2024年12月7日(土)14:00~17:00

会場 :マイドームおおさか(8階 第 1・2 会議室)

*対面、オンラインのハイブリッド開催

参加費:¥1,000(ヒューライツ大阪会員の方は無料)

定員:会場参加:100名(先着順)

1994 年の設立以来、国際人権基準の浸透と実現のために活動してきた(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)は、 今年設立 30 周年を迎えます。

  設立 30 周年を記念して、国際人権基準を日本に根付かせるために不可欠な基盤であり、他の多くの国で既に実現している

1国内人権機関の設立、2包括的差別禁止法の制定、3個人通報制度の受け入れをめざし、その実現に向けた気運を高めるためにシンポジウムを開催します。 

詳細:https://www.hurights.or.jp/japan/event_seminar/2024/09/30.html



☆オンライン・セミナー

自治体議員対象のPFAS問題のオンライン学習会。

関心のある方はぜひご参加ください。

日時:2024年11月21日(水)15:00~17:00

参加費無料

小泉昭夫さんの講演、各地からの報告など

お申し込みは下記のフォームよりお願いします。

https://docs.google.com/forms/d/1XZG7wWDOMbgS-L9TgHMdMgrXYb-XtoeKX7Civ3NlbKA/viewform

主催:PFAS問題を考える議員の会

    ↑

議員ではなくても、参加してみようと思います。



まだまだ先ですが、私が所属する会の主催イベントです。

京都ですが、ご都合よろしければ、ぜひスケジュールに入れてください♪

    ↓

■藤田早苗講演会 申し込みが必要です(リアル参加のみ)。

演題  学ぼう国際人権(私たちの力を高めるために)

日時  2025年1月12日午後2時半から

場所  京都弁護士会館地階大ホール

参加費 500円

主催:国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査を活用する会

申込先 https://bit.ly/3zYIt6B


あなたの街での藤田早苗さんの講演会は?

こちらでチェック→ https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/




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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

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