2024年10月26日土曜日

【第837号】長いものに巻かれていたら・・・

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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『終わらないPFOA汚染~公害温存システムのある国で』(旬報社)という

若きジャーナリスト、中川七海氏の渾身の著を読みました。


私が関西がPFOAに汚染されていると知った2023年春、

彼女が以前からその汚染企業のダイキンを追跡していたことを知り、

さかのぼって記事は読んでいたのですが、

今回、「公害温存システムのある国で」という副題が、

私にとても響きました。

少し長いですが、抜粋引用させていただきます。



日本は公害企業にとっては都合の良い国だ。

ダイキンの気持ちになってみると、このような考えが浮かんだ。


米国では損害賠償も支払ったし、他国でも現在、訴訟を起こされている。


だが日本では問題ない。(中略)

地方自治体と政府は互いに対応を押しつけ合っている。

一緒になって追求してくることはない。

それどころか、向こうから歩み寄ってくれる。(中略)


マスメディアの扱いも簡単だ。(中略)


住民の多くも、沈黙している。

一部の住民が声を挙げたとしても、資金も後ろ盾もない。

跳ね返すことなど容易だ。 (pp.182-183)



公害企業のダイキンが、どれほど政府も自治体も住民も軽く見て、

環境と住民の健康を踏みにじりながら利益を上げてきたか、

どれほど、自治体や政府が、ダイキンのための行動をしてきたか、

ぜひ、この新著をお読みください。


中川氏は本の最後をこう締めくくっています。

現状を放置すれば、その影響は必ずわたしたちに返ってくる。

公害温存システムを断ち切るための闘いに、

ぜひ一緒に挑んでほしい。」  p.189



「長いものには巻かれろ」ということわざがありますが、

「巻かれてたら、絞め殺されるなぁ」との実感がこみ上げた読後でした。


私も資金も後ろ盾もない一市民ですが、

この公害温存システムという「長いもの」を断ち切るために、

挑みます!



= 関連サイト=


☆10/18『終わらないPFOA汚染』旬報社発刊 

テーマ『PFOA汚染の実態だけでなく、その背景にあるこの国の「公害行政」の欠陥を明らかにする』

ゲスト: 中川七海さん 小泉昭夫先生@隆祥館書店 報告レポート

https://note.com/ryushokanbook/n/n17eecbceb910

    ↑

私も参加して、新著を購入し、中川氏にもこれまでの報道のお礼を伝えました。

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++ 今週の気になるニュース  ++


■PFAS水質管理強化へ 目標から基準に格上げ、環境省

共同通信 2024/10/19

https://news.yahoo.co.jp/articles/947af7d50c04b2dc1f9a8ceef66931e016239fbe

目標から基準に格上げ!

は、良いとして、その値は?今後の働きかけが必要です。



■「名字選ぶ自由与えないのか?」国連委の問いに“チグハグ答弁”

…選択的夫婦別姓が求められる“日本ならではのワケ”

日テレニュース 2024/10/24

https://news.yahoo.co.jp/articles/9ace9a8b0c1e24c0b5c06cea9c8019c561c9a09f

      ↑

私もネット中継で視聴していた国連の女性差別撤廃委員会での5時間に及ぶ日本審査。

内容をコンパクトにまとめて、大切な言葉をきっちり書いてくれている記事です。

「大切なのは、本人が選択できるということ」です。


しかし、今週、神戸市議会で、またもや残念な結果・・・

反対したのは、自民と維新です。

    ↓

■夫婦別姓の意見書「賛成32反対32」 神戸市議会、議長判断で否決

朝日新聞 2024/10/24

https://www.asahi.com/articles/ASSBR44V6SBRPIHB005M.html



重要なことを伊勢崎氏が語られているのでリンクします。

      ↓

■「新しい戦前」に抗う強い野党を 

東京外国語大学名誉教授・伊勢崎賢治氏(れいわ新選組公認候補)の演説より

長周新聞2024年10月19日

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/32301

「米軍が駐留国で認められる権利は、その権利を相手にも認める。フィリピンもそうだし、ドイツ、イタリア、僕が働いていたアフガニスタンでもそのような地位協定になっている。これを「自由なき駐留」という。すべてその国の許可制なのだ。

 中略

(日本の与党も野党も)現実の問題を解決するために法的対等性を求めることすらしない。もし日本がこれを求めたとしても、アメリカの側には国際法上「ノー」といえる根拠は何もないのにもかかわらず。 

 この法的対等性に基づく「自由なき駐留」は、日本以外のすべての国でやっていることだ。」




++ イベント紹介 ++


☆堅苦しくないオンラインイベント!

地震と原発その2 日本原電敦賀の「犯罪」を読む

日時:2024年10月29日20時〜

講師: 添田孝史さん(ジャーナリスト)

ぜひご参加ください。

また、ぜひぜひご寄付で支えてください。

zoomリンクや寄付先など詳細:https://www.facebook.com/events/880841770685097

主催:Level 7 (一般社団法人 原発報道・検証室) 



☆原発事故と福祉行政を考えるシンポジウム(オンライン併用)

日時:2024年11月3日(日)13:30〜16:00

会場:大阪グリーン会館2階ホール

大阪府大阪市北区天神橋1丁目13-15

参加協力費:1000円


東日本大震災と原発事故により、関東地方から大阪市に避難したSさんは、住宅支援打ち切りに伴い、大阪市から建物明渡しと損害金(現在約1800万円)の請求を内容とする訴訟をおこされました。Sさんは末期のがんで余命宣告を受け、重度障害もあります。

この問題は、「原発事故」「福祉行政」の2つのテーマが絡む問題です。


お申し込み、振り込み先など詳細は:

https://docs.google.com/forms/d/1phFqeOo6A1b5g3qtj0DYIRfHB4odTu3_Yu84x6RPbEA/viewform

主催:原発事故と福祉行政を考える 

   大阪市営住宅追い出し裁判 判決直前シンポジウム 実行委員会




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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

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