「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言
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2月13日に福島県、宮城県を襲った震度6強の地震から1週間後の19日に、
福島第一原発の事故で破損した格納容器が、さらに破損したのか、
溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすための水の水位と、
水素爆発を防ぐために注入している窒素の圧力が、
ともに低下しているとのニュースが入りました。
注入量を増やしても、今週も低下は続いているとのことです。
格納容器の破損が広がったと考えると、
これまで以上に放射性物質が放出されている可能性がありますが、
東京電力は、周囲のモニタリングポストに変化はないと発表しています。
ここで私が懸念するのは、
2013年に、福島第一原発3号機のがれき撤去作業の影響と思われる
米の放射能汚染が、南相馬市で確認されたことです。
詳細は、青木美希氏の『地図から消される街』第4章をお読みいただきたいのですが、
要約すると、
2013年に米の放射能汚染を察知した農水省が、
原因を調査したところ、
福島第一原発3号機のがれき撤去作業により、
大量の放射性物質が放出され(4時間で4兆ベクレル) 、
当時の風に乗って、南相馬市の田園に降下、
米を汚染したと考えられました。
しかし、いろいろな紆余曲折を経て、
結局、東電も原子力規制庁を筆頭とする政府も
放出量をどんどん少なく見積もり(1100億ベクレル)、
この米の汚染の原因は「わからない」という結果に「調整」しました。
この「調整」のひとつに使われたのが原発敷地内のモニタリングポストです。
この敷地内のモニタリングポストは標高が低く、
3号機の地上50メートルから放出された放射性物質は、
敷地内に落ちることなく、
そのまま風にのって原発敷地外に流れ、
南相馬市に降下したのでは?とも考えられます。
今回も、東電が発表するモニタリングポストの値だけでは、
実態を把握できないのでは?と、私は危惧します。
汚染の原因を「わからない」とした目的は、
原発再稼動と避難者の帰還促進のためと推測されています。
オリンピック開催に邁進するこの国が、
今またどのような「調整」を画策しているのか・・・
10年経っても、デブリの様子も格納容器の様子もわかっていない現実、
また政府からもメディアからも、重要な情報を期待できない状況を、
今更ながらに痛恨します・・・。
あらゆるモニタリングポスト、
また、あなたのガイガーカウンターを注視することが、
自分や家族を守るために、今、せめてできること・・・。
これ以上の破損が起きないこと、
余震がこないこと、津波がこないことを祈るしかない、
福島第一原発事故から10年後の2021年2月です。
= 関連サイト =
■地震影響 福島第一原発 原子炉の格納容器 水位低下傾向続く
NHK NEWS WEB 2021年2月23日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210223/k10012881251000.html
「水素爆発を防ぐため格納容器には窒素が注入され圧力が高くなっていますが
1号機では大気圧との差を計測する圧力計の値が1.2キロパスカルから
0.1キロパスカルまで下がりほぼ大気圧になっているということです。」
参考文献
『地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」』
青木美希 著 講談社現代新書 2018年刊
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++ 今週の気になるニュース ++
■社説(2/22):福島移住に200万円/最後の避難者まで支援を
河北新報 2021年02月22日
https://kahoku.news/articles/20210221khn000022.html
↑
どのような事態になっているかも分からない事故原発の周辺地域に
人々を移住させるために、私たちの税金が使われます。
本来なら、被害者の方々が、より安全な場所に移住するために使われるべきだと思います。
■小泉環境相 除染土を福島県外で最終処分 国民理解へ活動強化
NHK NEWS WEB 2021年2月19日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210219/k10012877321000.html
↑
環境省は福島県外の除染によって発生した放射性汚染土を、
30cmの覆土で埋立処分しようと計画しています。
放射性汚染土が土砂崩れや洪水によって環境中に放出され、
そこに含まれる放射性微粒子を吸いこむことは非常に危険です。
放射性物質は徹底管理が原則です。
なんとしてもこのような計画は止めなくてはなりません。
今後、このような放射性物質拡散を止めるために、これまで以上に動くつもりですが、
3月24日に放射性汚染土についてお話させていただきます。
↓
☆ 福島第一原発事故から10年~放射性汚染土の拡散を止めるために~
日時:2021年3月24日(水)午前10時30分~12時
講師:神戸大学英語講師、さよなら原発神戸アクション共同世話人 小橋 かおる
福島第一原発事故に伴う除染で出た「除去土壌=放射性汚染土」のゆくえをご存じですか?
環境省は「除去土壌」のうちセシウムで8000ベクレル/kg以下の放射性汚染土を、
農地や公共事業で再利用できるよう法整備に取り組んでいます。
これは低レベル放射性廃棄物として厳重保管されるべき80倍の数値となり、
これが実施されれば日本全体の土壌、農地の安全性が危ぶまれ、
汚染の拡散による被曝が現実となります。
「放射性物質は公害で、受け入れられない」という事を、兵庫県や神戸市に訴え、
自治体での規制の必要性を求めこの問題に取り組まれている
小橋さんのお話をお聞きして、放射性汚染土についての現状、
そして私たちに出来ることは何かを学びたいと思います。
●会場:神戸学生青年センターホール
(阪急六甲下車徒歩3分、JR六甲道下車徒歩15分)
●参加費:600円 ※託児(無料)があります。必要な方は前々日までに予約してください。
●主 催 : (公財)神戸学生青年センター https://ksyc.jp
詳細:http://whatsnew-on-flowersandbombs.blogspot.com/2021/01/10.html
++ イベント紹介 ++
☆子どもを被ばくから守るために@Zoom茶話会
~3.1子ども脱被ばく裁判判決@福島地裁 報告と今後~
日時:2021年3月9日(火)19:00~21:00
会場:Zoom(URLなどは、詳細をご覧ください。)
参加費:無料・カンパ歓迎 (zoomをお使いの方なら、どなたでも大歓迎です。)
予定内容
・判決報告など:今野寿美雄(こんのすみお)さん
1964年、浪江町生まれ。3.11事故の前までは福島や女川、東海の原発、JAEA
もんじゅなど原子力関連の現場で電気設備や機器の建設・点検作業などにあたる。
被災後は全町避難となった浪江町から福島市に避難。それまでの仕事をやめ、
現在は被災地の支援活動、「子ども脱被ばく裁判」原告団代表、
他の原発関係訴訟の支援者として活動中。
・対談(予定): 今野寿美雄さん 森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団長)
・交流タイム:参加者との意見交流の時間も予定しています。
詳細:http://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-216.html
主催:さよなら原発神戸アクション
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素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ
ナバホ族の格言
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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪
++ 「7世代に思いをはせて」バックナンバーについて ++
2008年10月から毎週土曜日に発行してきたメールマガジン「7世代に思いをはせて」。
2019年4月15日よりメールマガジン発行媒体のまぐまぐ!さんのサービス変更のため、
これまでのバックナンバー公開がなくなりました。
その後の投稿は下記のブログに転載する形で、
バックナンバー公開を私なりに続けています。ご活用ください。
ブログ:「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000273399.html
♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。
2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。
できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。
「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ ←2020年5月より新しくなりました
ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com
ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
そろそろ春を感じる2月末です |