2021年5月22日土曜日

【第658号】帝国主義という視点

「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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先日、あるzoom会合で、科学における差別の構造、

特にマーシャル諸島などでの原爆実験の被ばく者をめぐる

帝国主義的科学の視点についての発表を聞く機会がありました。


その話を聞きながら、何年も前に読みかけたままになっていた

神戸大で科学史を教えておられる塚原東吾先生の論考を思い出し、

数年越しで読み直しました。


帝国主義とは、私なりに要約すると、

宗主国と植民地、

支配する側とされる側、

搾取する側とされる側にある

差別構造ではないかと思います。


塚原先生の論考で、なるほどと思ったのは、

戦前、大日本帝国時代に満州などの植民地「開発」を行っていた人たちが、

戦後、その「開発」の地を国内に求めたという点です。


例えば、チッソ、電通、原子力行政・・・

これらは植民地開発、植民地統治に起源を持つ人々が創り上げた機構であるとの指摘は、

住民の生活を踏みにじっても、

関係者の利益を最大化することに熱心である現在の原子力行政をみると、

その帝国主義性がよくわかると思いました。


これまで、なぜ住民の声は無視されるのか、

取るに足りないもののように扱われるのか、

日本には民主主義が根付いていないからなのか?と

いろいろ考えてきましたが、


戦後日本を形作る起源のひとつに

「国内に向かった植民地主義」があるのだと思うと、

なんとも腑に落ちます。


世の中を見るときのひとつの新たな視点を提供してくれた

その論考を紹介させていただきます。

    ↓

塚原東吾「マンハッタン時代と満州経験~戦後日本のテクノポリティクスの起源」

『現代思想』2015年8月号pp.160-174


帝国主義というと19世紀のような感じがしますが、

案外、名称が変わっただけで、

その構造はずっと生き延びているのかもしれませんね。。。

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++ 今週の気になるニュース  ++

■「五輪に意義ない」 JOC理事・山口香氏、可否判断憂慮

毎日新聞 2021/5/19

https://mainichi.jp/articles/20210519/k00/00m/050/350000c

「国民の多くが疑義を感じているのに、

国際オリンピック委員会も日本政府も大会組織委も声を聞く気がない。

平和構築の基本は対話であり、それを拒否する五輪に意義はない」

     

人々を踏み台にして利益をむさぼるとしたら、

五輪も帝国主義的な産物かもしれませんね?


■フランス紙が東京五輪を大特集

「なぜ日本国民にしなかった対策を外国の選手団のためにはするのか」

クーリエジャポン2021/5/14

https://news.yahoo.co.jp/articles/af7d1ba8be82d09331f35a85a792a8bd937a31a6



そして、植民地開発の典型とも言える原発行政


■美浜3号機に核燃料装着 40年超原発 関電、6月再稼働へ準備

毎日新聞 2021/5/21

https://news.yahoo.co.jp/articles/17d389cb7f204523da5943f84b4331005034ad22


美浜原発3号機に燃料搬入が開始された5月20日、

下記の関電HPより、コロナ禍で避難もままならない中の再稼動を止めるよう意見しました。

■避難計画はどうなっていますか?<関西電力HP>

https://www.kepco.co.jp/siteinfo/faq/atomic/10014567_10620.html




++ イベント紹介 ++

いつまでも帝国の支配者気分でいる人たちを変えられるのは、

私たちの声しかないと思います。

        ↓

☆みんなで東電刑事裁判の勝利をめざす!オンライン集会

日時:2021年5月30日(日)14:00~16:30

参加費:無料・ZOOMを使用したオンライン集会 

内容:18名の方々による応援リレースピーチ!

落合恵子さん:作家、川田龍平さん:参議院議員・元 HIV訴訟原告

中村敦夫さん:俳優・作家 @ビデオメッセージや代読の場合があります。

不当判決を覆し、原発事故の刑事責任を認めさせるため、団結して勝利をめざしましょう!

Zoomリンクなど詳細:https://shien-dan.org/event-20210530/

主催:福島原発刑事訴訟支援団



☆オンラインセミナー

「ミャンマー(ビルマ)の民主化を求める市民のいま-日本の私たちにできること」

日時:2021年6月5日(土)16:00~18:00

会場:オンライン開催(Zoom)定員80名(先着順)

参加費:無料

詳細:https://www.hurights.or.jp/japan/new-project/2021/05/post-63.html

主催:一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)


さよげん神戸恒例zoom茶話会です。

    ↓

☆ 暮らしのなかの放射能 南相馬住民の10年

~測定、裁判、あとに続くものたちのために~

お話:小澤洋一さん

日時:2021年5月30日(日)19:00~21:00

会場:Zoom(URLなどはさよなら原発神戸アクションの下記リンクをご覧ください。)

参加費:無料・カンパ歓迎 (zoomをお使いの方なら、どなたでも大歓迎です。)


小澤さんがお住いの福島県南相馬市は、2011年3月11日に起こった

東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質により

大きな被害を受けました。

小澤さんの、留まる選択をした住民の一人としての思い、

この10年余りに経験してこられたことなどをうかがう貴重な機会です。

ふるってご参加ください。


■講師プロフィール

南相馬20ミリ基準撤回訴訟 原告団事務局長、ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト 共同代表


フェイスブックのイベントページ:https://www.facebook.com/events/313629777007373/

主催:さよなら原発神戸アクション 

ZoomURLなどの詳細:http://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-221.html



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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ ←2020年5月より新しくなりました

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html


 

2015年の夏は塚原先生らと
神戸大学平和フォーラムとしても活動しました