「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言
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今週は、子どもたちを被ばくから守るための裁判の
支援集会と裁判期日の傍聴に行きました。
ひとつは、子ども脱被ばく裁判(現在、控訴審)の支援集会。
もうひとつは、原発賠償ひょうご訴訟(一審)期日です。
裁判というと、何か遠い話のように思われるかもしれませんが、
原告の方々は、子どもを被ばくから守りたい、
これ以上、誰も理不尽な被ばくを強いられることのないように、
国、行政、東電(裁判によって被告は様々ですが)に
必要な対策、賠償を行ってほしいとの思いから、
立ち上がった大人や子どもたちです。
被ばくがどれほど健康に影響を及ぼすのか?
国が指針とするICRP(国際放射性防護委員会)は、外部被ばくしか考慮せず、
内部被ばくはほとんど問題にしていません。
放射性物質が広がった地域に住んでいた、または今も住んでいる原告たちは、
内部被ばくの深刻さを、国や東電、裁判所にしっかり認識してほしいと、
今週の原発賠償ひょうご訴訟の期日では、
長崎原爆の被爆者たちをずっと診てこれらた郷地秀夫医師が専門家証人として、
国や東電の弁護士たちの反対尋問を受けられました。
その反対尋問を、ひとことで言えば、
国、東電という加害者側の弁護士たちは、
まったく内部被ばくを認めようとしていませんでした。
彼らが持ち出す、ICRPとは何者で、その放射線防護の基準は、
どのような意図に基づいているものか?
「ICRPは国際的科学権威の組織などど言える代物ではむろんない。
ICRPとは、ヒバクは人民に押しつけ、
経済的・政治的利益は原子力産業と支配層にもたらす国際的委員会である。」(pp.263-264)
『放射線被曝の歴史-アメリカ原爆開発から福島原発事故まで』 中川保雄 著
すなわち、加害者側に立った組織のモノサシで、
被害者の訴えを押し殺している・・・
2時間に及ぶ反対尋問を傍聴し、
この国の支配層のふてぶてしいまでの非情さを痛感しました。
裁判長は、この非情なカラクリを理解してくれたでしょうか?
内部被ばくの深刻さを理解してくれたでしょうか?
それとも、理解できないフリ、
内部被ばくなど問題ないという
ICRPなど加害者側の見解を鵜呑みにしてしまうのでしょうか?
実は、子ども脱被ばく裁判の1審では、
被告側が書いたのかと思うような判決が出されました。
このまま内部被ばくの問題を無視するような判決が出続けると、
今後ますます放射性物質は、
汚染水、汚染土、廃棄物、リサイクル、エコセメントと形を変えて、
私たちの生活圏に広められるでしょう。
加害者側は、放射性物質を早く拡散させてしまって、
原発事故など無かったことにしたい、
放射性物質に被ばくさせられた人たちの健康被害など関係ないと、
居直る準備をしているのだと思います。
あなたの健康、子どもたちの健康、
この国の未来のため、
どうか知ってください。
内部被ばくの危険性を。
= 関連サイト =
これまで私は、さよなら原発神戸アクションとして、
郷地医師を講師に学習会を2回開催しました。
まとめの拙ブログをリンクします。
2013年に、外部被ばくと内部被ばくの違いを説明してもらいました。
■被爆者医療から見た原発事故(第1回のセミナーのまとめ)
Words for Peace 2013年5月
https://flowersandbombs.blogspot.com/2013/05/
2019年には、広く拡散した不溶性放射性粒子の危険性について説明してもらいました。
■ここまでわかった内部ひばく~セシウムボールのゆくえ~
Words for Peace 2019年6月
http://flowersandbombs.blogspot.com/2019/06/
裁判の応援も、私たちの未来を守るためにとても大切だと思いますので、リンクします。
●子ども脱被ばく裁判ホームページ
https://kodomodatsuhibaku.blogspot.com/
●ぽかぽか★サポートチーム(原発賠償ひょうご訴訟支援チーム)ホームページ
https://pokapoka-hyogo.weebly.com/
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++ 今週の気になるニュース ++
■ザポリージャ原発に砲撃、原子炉1基が緊急停止 ウクライナ側が発表
朝日新聞DIGITAL 2022/9/1
https://news.yahoo.co.jp/articles/a06b93656fc837496666ce20c3a45b3332df4c0e
「砲撃により、午前4時57分に5号機が緊急停止したほか、停止中の2号機では予備用電源が破損し、ディーゼル発電機が作動したという。」
■ザポリージャ原発 放射性物質の飛散予想図公表 自治体はヨウ素剤を配布
テレ朝NEWS 2022/8/29
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000266498.html
↑
ニュース内で汚染予想が具体的に地図で示されていますが、
日本の「予想」のように20キロぐらいの同心円ではなく、
200キロも離れていても汚染されると予想されています。
私の住む神戸から美浜原発までも200キロも離れていません。
放射性ヨウ素を吸い込むという内部被ばくを防ぐための安定ヨウ素剤。
内部被ばくをほとんど認めようとしないこの国で、
どれだけの自治体が安定ヨウ素剤を用意しているでしょうか?
↓
■40年超の美浜原発3号機、原子炉を起動 関西電力、トラブル続き予定から20日遅れ
福井新聞ONLINE 2022年8月30日
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1619761
■電力逼迫の影でトラブルや不具合…関電の原発で3カ月のうちに9件
福井県内の高経年化4基
福井新聞ONLINE 2022年9月1日
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1620496
ところで、77年前の9月2日は日本が降伏文書に調印し、
敗戦により占領が始まった日です。
■東京大空襲は熟慮なき「即興的破壊」だった
米側の内幕を描いたマルコム・グラッドウェルさんに聞く
東京新聞 2022年8月29日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/198700/2
↑
東京大空襲などをテーマにしたノンフィクションがアメリカでベストセラーになっているとのこと。読み応えがありました。
日本人として、特に知っておくべきっことかなと思った文章を抜粋します。
↓
「私の背筋を最も凍らせたのは、ルメイが自身の判断で日本の67都市を焼き尽くしたことだ」
「ルメイは戦後、日本政府からは、航空自衛隊の育成に貢献したとして叙勲された。」
戦争は「特異な信念と動機を持つ人たち」が引き起こす
最後に、岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と戦後の大政治家にずっと関わってきた
旧統一教会についてのNHKの特集を紹介します。
■旧統一教会関連団体トップに問う 教会と政治、安倍元首相との関わり
クローズアップ現代 2022年8月29日
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pNnj4kdxEN/
「政治家への支援の実態、安倍元首相との関わりについて明かし、
教会と一部の関連団体との資金的なつながりを初めて認めた・・・」
++ イベント紹介 ++
☆オンラインセミナー:「電力需給逼迫」と原発再稼働~望ましい解決策とは
日時:2022年9月6日(火)15:00~17:00
オンライン会議システムzoomを利用
※参加費無料
主催:国際環境NGO FoE Japan
詳細:https://foejapan.org/issue/20220817/8901/
☆CCNE連続オンライントーク「原発ゼロ社会への道」2022
第1回 岸田政権の原発回帰にみる
「原子力の無責任と不可視の構造」
日 時:2022年9月7日(水)17:00〜18:00【オンライン(Zoom)開催】
主 催:原子力市民委員会(CCNE)
詳細: http://www.ccnejapan.com/?p=13083
++ ブログ紹介 ++
前から気になっていた抽選制議会についての書籍を読んで、ブログにまとめました。
民主主義の未来について思いをはせて・・・
Words for Peace:『選挙制を疑う』を読んで~抽選制代議制の可能性~
https://flowersandbombs.blogspot.com/2022/09/
++ 動画紹介 ++
4月から5回シリーズで開催してきましたVFPスピーキング・ツアー2021+1も無事終了!
各回で紹介した全動画のリンクを掲載します。
どれもとても貴重な証言、研究の数々ですので、ぜひゆっくりご覧ください。
【あるアフガン人が非暴力を選んだ理由】バシール・ビタ
【テロとの戦い20年を振り返る アフガンの今、シリアの今】西谷文和
【戦争経験者の心の傷とその家族たちの心傷】ケビン・ルーシー
https://www.youtube.com/watch?v=ILWLOp04_SI
【アメリカ帝国は衰退ではなく拡大している】マット・ホー
https://www.youtube.com/watch?v=UMMGxHMxgPM
【戦争のディズニーランド】 主演:マイク・ヘインズ、監督:クリス・スマイリー
【あの手この手で若者獲得のため画策する防衛省】形川健一
【傷ついた元軍人は、傷だらけの米国社会では生きていけない】 サム・コールマン
【戦争が日本兵と家族にもたらした心の傷】中村江里
++ ++ ++ ++
素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ
ナバホ族の格言
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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪
♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。
2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。
さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。
できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。
「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ ←2020年5月より新しくなりました
ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com
ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
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https://www.mag2.com/m/0000273399.html
今週、期日を傍聴にいった神戸地裁 原告の思いが届きますように |