2022年11月19日土曜日

【第736号】原発事故被害者の訴えを胸に・・・

「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週は、福島第一原発事故の放射能汚染により避難を余儀なくされ、

兵庫県に避難された方たちが提訴した原発賠償ひょうご訴訟を傍聴しました。


裁判も終盤で、今年1月から始まった原告本人尋問も今回が最終日でした。

すべての原告さんの訴えを聞けたわけではありませんが、

最後の原告の女性の訴えが、とても胸に迫りましたので、要約します。



「私は、原発事故により物理的に多くを奪われただけでなく、

精神的にも傷つけられ続けている。

原発事故で放射能をばらまかれただけでなく、

元の居住地に戻らないことで、「国土に対する不当な評価」と中傷を受ける。

東電と国には、謝罪してほしい。」



国土を汚染した者たちは謝罪どころか、何の反省もなく、

被害者を足蹴にして、原発推進に邁進する今、

私たちが、原告の方々の訴えを、わがこととしてとらえなければ、

事故は繰り返されるでしょう。


国外に目を向ければ、原発事故による人権侵害について、国連が勧告を出しています。

この勧告を、国がしっかり受け止めるよう、働きかけなければと思います。

原発事故被害者の方たちのためだけでなく、私たち自身の人生を守るために。



■11月3日の国連での、自由権規約委員会における日本政府報告審査で、

締約国=日本政府への国内の人権問題に関する勧告が多々だされました。

その中で、原発事故被害者に関する勧告の和訳を転載します。


23 委員会は前回の勧告を繰り返し述べつつ(11)、次の点を勧告する。すなわち、締約国は、


(a)福島における原子力災害によって影響を受けたすべての人々の生命を保護するとともに、放射線レベルが住民にリスクを与えない場合にのみ、避難区域としての汚染地域の指定を解除すべきである。


(b)放射線レベルの監視を継続するとともに、時宜にかなった方法で、影響を受けた人々に対して放射線レベルに関する情報を公開すべきである。


(c)すべての国内避難民が、「自主」避難者か「強制」避難者かという区別に関係なく、又は彼ら/彼女らの土地に帰還する決定をするかどうかにかかわらず、避難区域外で居住する避難者に対する無償の住宅支援の再開を含む、必要な財政的支援、住宅支援、医療支援及びその他の支援のすべてを利用することができることを確保すべきである。


(d)子どもの中で見られるがんの高い罹患率との相関関係の可能性を含む、放射線にさらされた人たちの健康に福島原子力災害が与えた影響の評価を継続するとともに、無償で、定期的で、かつ包括的な健康診断を、子どもたちを含む放射線にさらされたすべての人々に提供することを検討すべきである。

引用サイト:2022年11月3日、自由権規約委員会第7 回日本政府報告審査・総括所見

■国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査を実現する会のFBサイト

https://www.facebook.com/RequesttovisitJapan/posts/pfbid0rwdZ2JL4DwSvmzBePiADsh4fiwoCPtxmDTSnPZD3qmKJw7wEGpFGmUscWzn64PBHl

(太字は小橋によるものです。今回ご紹介した原告さんの訴えに応えている委員会の勧告を太字にしました。)


= 関連記事 =

■【原発事故と避難の権利】俺たちが「住民の心情を害す」?

汚染は「国土に対する不当な評価」? 国が「群馬訴訟」の準備書面で

〝自主避難〟を強烈に否定、福島県内外から怒りの声

民の声新聞 2019/09/29

http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-368.html

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++ 今週の気になるニュース  ++


東京電力福島第一原発事故の影響で甲状腺がんになったとして、

事故当時に福島県に住んでいた17~28歳の男女7人が、東電損害賠償を求めた訴訟の続報です。

■原告女性が意見陳述「これから先のことも考えられない」

朝日新聞DIGITAL 2022/11/10

https://www.asahi.com/articles/ASQC97SZSQC9UGTB001.html

「原告側はまた、県の県民健康調査のデータなどを用いた専門家による疫学調査では、

原告の甲状腺がんを被曝(ひばく)に起因するがんと見なせる

「原因確率」が94・9~99・3%と、極めて高い値になったと主張。過去の公害訴訟では、

この確率が50~70%でも原因となる出来事と病気との因果関係が認められており、

被曝と甲状腺がんの因果関係は「高度の蓋然(がいぜん)性をもって、

証明されたものとして扱ってよい」などと述べた。」



■【子ども脱被ばく裁判】「判断権者の尋問欠かせないのに…」

仙台高裁が福島県知事ら5人への証人尋問申請を全却下 

「必要性ない」と裁判長~控訴審第5回口頭弁論

民の声新聞 2022/11/15

http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-688.html

「高裁は福島県の内堀雅雄知事など判断権者の話を聴かないまま、

SPEEDI情報隠蔽や学校再開についての「年20mSv基準」など、

国や福島県の原発事故対応について判断する。」


上記の裁判を今後も注目し続けます。



++ イベント紹介 ++


☆神戸市政カフェ@zoom

テーマ「大学生への福祉的支援を考える」

日時:2022年11月26日(土)10:00〜11:30

場所:オンライン(ZOOM会議)

参加費:無料(垂水区以外の方もご参加いただけます)

参加申込:https://forms.gle/indB7Y5DAtRcACCn8 よりお申込みください。

      (申込締切:11/26(土)午前9時)

主催:高橋ひでのりと市政を考える会 

詳細:https://www.shiminnokaze.com/takahashi/post-1426/



☆VFP ピース・スピーキングツアー2022@Zoom

【ベトナム戦争時の枯葉剤の影響について】

開催日: 2022年12月3日(土)

時間: 10時 開会 11時45分 閉会

参加費:無料 (日英 同時通訳付き)

お申し込みはこちらから:

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeWzN4X8MQxt-EBgpEXXbdlNIxqZUWGqQE6jp-SIZJ1S4OHhg/viewform


今年は、ベトナム戦争帰還兵を父にもつ米国人女性、ヘザー・バウワー氏にご登壇頂き、

戦後50年過ぎてもいまだに戦い続ける枯葉剤の被害者の状況について伺います。

スピーチの後、ヘザーさんとドキュメンタリー映画監督の坂田雅子さん、

VFP会長・スーザン・シュノールのトークを挟んで、質疑応答の時間をご用意します。

参加者の皆さんのご質問・ご感想等お待ちしております。


お問い合わせ: vfpspeakingtour@gmail.com

主催:2022 VFP ピース・スピーキングツアー実行委員会

詳細:http://whatsnew-on-flowersandbombs.blogspot.com/2022/11/vfp-2022.html



++ 今年も始まりました、チョコ募金 ++

イラクの小児がんや白血病の子どもたちのため、

2006年から毎年チョコ募金を続けています。

今年もイラクの子どもたちが描いた絵柄がかわいいチョコ缶です♪

詳細:JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)

https://www.jim-net.org/2021/10/05/7283/



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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ ←2020年5月より新しくなりました

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

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原発賠償ひょうご訴訟のサポーターの方たちが
発行している通信です。