「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言
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今週は、日本のPFAS汚染問題研究の第一人者、
小泉昭夫京都大学名誉教授の講演会を聞きました。
PFASとは、永遠の化学物質と呼ばれ、発がん性が懸念される物質で、
特にPFOAとPFOSと呼ばれる物質が問題視されています。
小泉教授は、もう20年以上前から、
淀川のダイキン工業によるPFAS汚染に警鐘を鳴らして来られたのですが、
この問題を知ったのは、私も今年の4月になってからでした。
関西が世界最悪レベルで汚染されていることを、
もっと早く知っていれば・・・と悔やみます。
これまでのダイキン由来の汚染についての経過や対策が、
小泉教授の著作に記されていますので、一部転載させていただきます。
「ダイキン工業による汚染の事実は、
(2007年)新聞報道などによって問題となり、
大阪府議会で審議されたが、
その後無視され、放置されてきた。」
( )は小橋追記。
「一方、ダイキンアメリカが、
アラバマ州の水道水を提供する地域の事業体から
テネシー川をPFOA, PFOSで汚染し、
飲料水として提供するために活性炭を使用し除去する行程が必要となったため、
活性炭の費用を求めて飲用水供給事業者がダイキンアメリカを提訴した。
訴訟は400万ドルを賠償することで2018年に和解した。
この地域でのテネシー川の汚染濃度は、
PFOAが120ppt、PFOSが220pptであり、
淀川流域のレベル67000pptよりはるかに軽微である。
(中略)
水道水を供給する大阪府をはじめとする自治体は、
利用者にPFOAの除去費用を負担させるのではなく、
ダイキン工業に請求するべきと考える。」
第4章 日本における PFOA/PFASの汚染
『永遠の化学物質 水のPFAS汚染』 2020年刊 岩波ブックレット No. 1030
また、講演会では、水の汚染だけでなく、
関西の大気の汚染、土壌汚染、
そして住民の血液の汚染についても説明してくださいました。
このPFAS汚染、
泡消火剤による米軍基地周辺のPFOSだけの問題ではありません。
工場、産業廃棄場由来のPFOA汚染が日本中に広がっています。
しかし、PFASの排出などを規制する法律は、
日本では未整備なままです。
小泉教授はこれを「国の意図的な不作為」と上述の著作で記されています。
国に法律を作らせましょう。
ダイキンに汚染を除去する費用を負担させましょう。
市民が気がついた限りは、
もう意図的な不作為など許されない社会に変えていきましょう。
= 関連サイト =
小橋のfacebookで、講演会について紹介しています。
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++ 今週の気になるニュース ++
■水道水の水源から目標値を超える “PFAS” 検出も 市は2年半公表せず
岐阜・各務原市長を直撃
CBCニュース 2023/9/30
https://news.yahoo.co.jp/articles/71ee90c5a023de70e769a748b54ceddad3309c2d
「『このまま飲んでいて大丈夫か』という問い合わせがあるが、
『安心です』とお伝えしている」(各務原市議会 川瀬勝秀議長)
↑
何を根拠に?
汚染を公表していれば、妊婦さんや赤ちゃんは飲まないですんだかもしれない。
この記事を読んでも、「目標値を超える」と書いてあるだけで、
測定した数値がまったく書かれていないので、調べてみました。
今年になっても、目標値の50ナノグラム/Lを常時超えています。
世界的には20ナノグラム/Lを超えれば健康被害が懸念され、
また、アメリカでは4ナノグラム/L以下で規制することになることを考えれば、
非常に懸念される値です。
この国が言う「安全」など信じられますか?
↓
■【速報】福島第一原発の処理水 2回目の海洋放出を開始 東京電力
テレ朝ニュース 2023/10/5
https://news.yahoo.co.jp/articles/1af89edc51f094c29091806af004423691166610
■水俣病訴訟でチッソが控訴 原告全員を勝訴とした大阪地裁判決を不服
朝日新聞DIGITAL 2023年10月5日
https://www.asahi.com/articles/ASRB53K6BRB5PTIL002.html
■「あんぽ柿」全面解禁見送り 一部で基準超え放射性物質
県北地方の4市町に加工自粛要請継続<福島県>
福テレ 2023年10月03日
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/2023/10/2023100300000004.html
++ 動画紹介 ++
■ 太平洋は放射性汚染水の産廃処理場ではない!
@さよなら原発神戸アクションzoom茶話会
https://youtu.be/CuW7_UERK5k?si=u53AjzCEapsc2xt2
↑
日本政府や原子力推進機構であるIAEAが危険性を無視して海洋放出しているトリチウム。
近年の科学によって明らかにされたトリチウムの危険性について語られています。
私たちの体は、水とトリチウムを区別できない・・・だから、よけいに危険なのです。
++ イベント紹介 ++
☆「黒い雨」訴訟から見る内部被ばく救済のゆくえ@zoom茶話会
日時:2023年10月21日(土) 19:00~21:00
場所:オンライン(Zoom)
講師:小山 美砂さん(ジャーナリスト)
参加費:無料(カンパ歓迎)
申し込み:要(下記をご覧ください)
講師プロフィール:小山 美砂(こやま みさ)ジャーナリスト
2022年7月、「黒い雨被爆者」が切り捨てられてきた戦後を記録したノンフィクション『「黒い雨」訴訟』(集英社新書)を刊行した。大阪社会部を経て、2023年からフリー。広島を拠点に、原爆被害の取材を続けている。
■お申し込みはこちらから(後日zoomリンクを送信します)
↓
お問い合わせ: sayogenkobe-staff★mlist.ne.jp (★を@に変えてください。)
主 催:さよなら原発神戸アクション https://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-258.html
FBイベントページ https://www.facebook.com/events/3551719685046321/
↑
小橋は司会進行の予定です。
いよいよ明日です!
☆山口県上関町の「中間貯蔵施設」計画を考える
関電は瀬戸内の豊かな海に核のゴミを持ち込むな!
日時: 2023年10月8日(日)14:00~
場所: 神戸市立婦人会館4階「つばき」
資料代: 500円
講師: 末田一秀さん
講師プロフィール:
『はんげんぱつ新聞』編集長、「核のごみキャンペーン関西」メンバー
学生時代に放射性廃棄物の処理を研究する実験室から下水道への放射能流出を暴いたことをきっかけに、放射性廃棄物の問題にこだわって脱原発運動に長年関わる。元大阪府職員(環境行政担当)。著書に「関西電力 原発マネースキャンダル」「原発ゴミは「負の遺産」―最終処分場のゆくえ」など。
主催:上関に原子力施設はいらない兵庫の会
FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/159400707163069
++ 英語のブログを更新しました ++
今週は『花と爆弾』p.21の英詩を掲載しました。
23年前の今頃は、このアフガニスタンの少年の頭上の空を、
米軍爆撃機が飛ばないことを祈るばかりでした。
911の報復として、無実の人たちに爆弾が落とされないようにと・・・。
■A poem about 23 years ago: October
https://tankaagainstwar.blogspot.com/2023/10/
++ ++ ++ ++
素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ
ナバホ族の格言
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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪
♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。
2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。
さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。
できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。
「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ ←2020年5月より新しくなりました
ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com
ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
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https://www.mag2.com/m/0000273399.html
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京都での小泉教授の講演会にて |