2024年2月3日土曜日

【第799号】少し光が差し込んだ?

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週は、国会が始まり、

国際人権にとても理解が深く、

私が関わった国連特別報告者の訪日調査でもご尽力いただいた

水岡俊一議員の代表質問をNHKの生中継で見ていました。


すると、水岡議員が、当メルマガでも頻繁にご紹介している

藤田早苗さん著の『武器としての国際人権』を引用しながら、

人権の考え方を述べ、

日本政府が人権諸条約の委員会からの勧告を無視し続ける姿勢について糺されました。


その質問への岸田首相の答弁です。

「人権諸条約の委員会の勧告が加盟国に対し法的拘束力を持たないことは、

当該条約の規定から明らかであるが、

我が国としては関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしており、

無視しているというわけではありません。

国際人権法について、人権擁護はすべての国の基本的責務であり、

我が国としては今後とも締結している国際諸条約を誠実に遵守してまいります。



前半は、これまでどおりの文言でしたが、

後半は、少し光が差し込んだような気がしました。


「国際諸条約を誠実に遵守してまいります。」



その光をもっともっと大きくするために、

国連人権理事会の普遍的定期審査の第1回から

ずっと「勧告」を受け続けているものの中でも、

とりわけ、国内人権機関の設立と

個人通報制度等の選択議定書の批准を求める勧告を

日本政府が遵守することを私は求めたい。


国内人権機関を設立し、

「人権」とは国民同士の「思いやり」ではなく、

「生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、

政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。」

ことを広く国民に伝え、その実現に向けて活動していくこと。


そして、個人通報制度等の選択議定書の批准し、

最高裁判決でも国民の人権がないがしろにされているときには、

人権諸条約の委員会に審議を求めることができるようにすること。



日本の最高裁は、政府の代弁者のような理不尽な判決を出すことを

2022年6月19日に痛感しました。

個人通報制度は、日本国民の権利を守るために必要な制度です。



国民の人権を国際人権水準に改善するために、

政治資金パーティ券を大量に買う企業などないでしょう。

また、人権や国際人権が、ほんとうに暮らしや人生に直結する

重要課題だと認識している有権者も多くはないでしょう。


そのような状況の中、代表質問の際には頻繁に、

国際人権について政府に質問してくださる水岡議員に感謝しています。



= 関連サイト =


■参議院本会議みずおか俊一代表質問(2024年2月1日)

https://www.youtube.com/watch?v=wAJSEefy9Ek

藤田早苗著『武器としての国際人権』からの引用による質問は19分からです。


2022年6月17日の最高裁判決、前号に引き続きリンクします。

■原発事故の国の責任、最高裁が認めない判決 「防潮堤でも防げず」

朝日新聞DIGITAL 2022年6月17日

https://www.asahi.com/articles/ASQ6K3R5MQ6GUTIL037.html


最後に、拙ブログです。

■『武器としての国際人権』を読んで・・「失われた30年」

http://flowersandbombs.blogspot.com/2023/01/

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++ 今週の気になるニュース  ++


■関西電力・森社長“原発の新設や増設など検討始める必要ある”

NHK福井NEWS WEB 2024年01月30日

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20240130/3050016929.html


関西電力は運転開始から50年にもなるような原発を福井県で稼働しています。

その最も古い原発は、神戸から90キロしか離れていません。

なぜ、一企業の利益のために私たちの暮らしと健康と未来が脅かされなければならないのか?

これらの警告が、彼らには届かないのはなぜなのか?

        ↓

■もし志賀原発が稼働中だったら… 元京都大助教・小出裕章さんの警告

中日新聞 2024年1月30日

https://www.chunichi.co.jp/article/845486

「制御棒でウランの核分裂反応を止めても、21万キロワット分の崩壊熱は止められない。膨大な発熱だ。福島でも核分裂反応は止まったが、崩壊熱を止めることができないまま、電源が何もなくなり、冷やせないために炉心が溶けて、(放射性物質が)大量に出てしまった。

 -停止中の原発ではどうなるのか。

 核分裂生成物は約200種類の放射性物質の集合体で、寿命の長い物質もあれば、半減するまでに8日と寿命が短い物質もある。10年もたつと、発熱する放射性核種がほとんど残っていない。21万キロワット分の崩壊熱が千分の1になると210キロワット。1キロワットの電熱器200個分ぐらいを冷やせればいいことになる。仮に全電源が喪失して冷却できなくなっても、巨大な使用済み核燃料プールにつかっているわけだから、水が干上がって使用済み燃料が溶けるような事態にはならない。」



■「ドーンと下から突き上げてきた」元作業員が語る“3.11”の女川原発

13メートルの津波は敷地の80センチ下まで迫っていた「もし満潮ならどうなっていたのか」

TBC東北放送 2024/1/28

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa88beaba3dec399a87001e06e7c9b133316b69f

「女川原発では、地震後全ての原子炉が設計通りに自動停止しました。

しかし、外部電源の5つの送電線のうち4つが使えなくなったほか、1号機の高圧電源盤から火が出てボヤが発生。

また津波による水位上昇で取水口から海水が流入し、8台の非常用ディーゼル発電機のうち2台が使えなくなりました。

敷地を襲った津波の高さはおよそ13メートルに達しました。」



私は、福井県の原発の即時停止と、日本中の原発の廃炉を求めます。



■PFASの「摂取許容量」日本でも具体化 ヨーロッパの60倍超に、

発がん性は「証拠不十分」

東京新聞 2024年1月26日 https://www.tokyo-np.co.jp/article/305491

      ↑

ほとんど自国では研究していない日本が、「証拠不十分」?

また、8年も前のアメリカの研究を参考に決めるって、どれほど時代遅れ?

私たちの健康を守るために、最新の国際的規準を採用して「摂取許容量」を決めるよう、

国民が声をあげていかなければならない・・・。

なぜ、この国は自ら進んで国民を守るように動かないのか?



最後に、ガザに関するニュースです。

国際司法裁判所が、イスラエルにガザでの集団殺害防止措置を命じられたとたんに、

イスラエルが出してきたUNRWAへの疑惑・・・。


■国連安保理、ガザ集団殺害防止で緊急会合 国際司法裁の命令順守要求

時事通信 2024年02月01日

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024020100344


■ガザ人道危機置き去りに WHO、UNRWA支援継続呼び掛け

AFP 2024年1月31日

https://www.afpbb.com/articles/-/3502854




++ 英語のブログを更新しました ++


飢えし児の手に持つパンを取り上げる欧米諸国のUNRWA制裁


この短歌の英語版に、欧米諸国はUNRWAへの制裁の前に、

国際司法裁判所でガザでのジェノサイド的行為を指摘された

イスラエルへの軍事支援を止めるべきとのコメントをつけました。

https://tankaagainstwar.blogspot.com/2024/01/




++ イベント紹介・再掲 ++


藤田早苗さんの講演会です♪

☆国際社会から日本の人権はどう見えるのか?

日時:2024年2月18日(日)15時~16時45分

会場:京都弁護士会館 地階大ホール

  https://www.kyotoben.or.jp/access.cfm

講師:藤田早苗氏(英エセックス大学人権センターフェロー) 

定員:先着80名 

参加費無料 申込期限 2/13

お申込み先:https://x.gd/0Rxif

主催 原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会

https://fukushimakyoto.namaste.jp/shien_kyoto/index.html

チラシや日本各地での藤田さんの講演会のスケジュールは、

こちらのリンクをご覧ください。→ https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/



とても大切な準備なので、ご紹介させていただきます。

      ↓

☆安定ヨウ素剤配布オンライン説明会

日時:2024年2月17日19時30分~

【万が一の原発からの放射能漏れ等の事故に備え、

「安定ヨウ素剤」を各家庭で常備しておきましょう】

全国どこからでも参加できるオンラインの説明会を

牛山先生のご協力のもと企画しました。

主催:みんなのデータサイト

詳細をご覧の上、ご検討ください:https://mds-07.peatix.com/view



女川原発建設反対から始まり、廃炉を求めて闘う女川の声を聞かせていただきたく、

仲間と企画した茶話会です。

      ↓

☆原発のまち50年のかお―女川から未来を考える@zoom茶話会

日時:2024年2月25日19時~21時、(18:50開場)

場所:オンライン(Zoom)

講師:阿部美紀子さん 「女川から未来を考える会」代表

参加費:無料(カンパ歓迎)

■お申し込みはこちらから↓(申し込み締め切りは、2月23日です)

https://x.gd/AoMp6


主 催:さよなら原発神戸アクション

詳細:https://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-260.html


      


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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

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https://www.mag2.com/m/0000273399.html




光にむかって