2024年8月24日土曜日

【第828号】米軍のような日本の環境省

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週は主催した学習会、

あなたの水は大丈夫?~発がん性のPFASから身を守るために~」にて、

アメリカのPFAS汚染と規制についての最新情報を学びました。


講師は、アメリカ人のパット・エルダーさんで、

「ミリタリーポイズンズ」すなわち米軍由来の毒物を、ずっと追求している方です。


アメリカ環境保護庁(EPA)が、この4月にPFASの水道水の規制を強化したことは、

当メルマガでもお伝えしてきましたが(日本の暫定目標値より6倍以上厳しい規制値)、

その米国内の規制の動きに、真っ向から逆らっている、

もしくは無視しているのが、米軍だということがよくわかりました。


例えば、

地表水に流入するPFAS化学物質の量に上限を規制しているミシガン州環境局に対し、

米空軍は連邦主権免責により、それを拒否できると主張しており、

「国家安全保障のためには、米軍は毒をまく権利があると言っている」とパットさん。



また、米軍での配属部署により、PFASに酷く晒されたと考えられる人たちもいるのですが、

退役軍人省の医療センターでは、PFASの血中濃度を測る血液検査を実施せず、

以下の説明をしています。


 「検査はPFAS暴露の原因を特定するものではない」

 「血中濃度を知っても、PFASが病気の原因になったか、なるかはわからない」



なんだか、どこかで聞いたことのある説明だなぁ・・・、

そう、日本の環境省や自治体に、血液検査の必要性を迫ったときの、彼らからの回答です。


その回答の一例として、8月1日に開かれた環境省の

「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」に関する記事から抜粋します。


<必ずしも健康障害が起こるとも限らない>

<将来、健康影響が発生することを意味しない>

と強調し、そのうえで、

<これまでに行われた特定健診やがん罹患情報などの統計から地域の健康影響の傾向を把握できる>と結論づけた。

汚染地域のデータは不要だ、と宣言したに等しいだろう。



米軍と環境省の共通点は、「PFAS汚染の原因を特定したくない」、

「血液検査をしたくない」という、

汚染の現状を明らかにせず、汚染源も特定せず、

責任を明らかにしたくないという姿勢。



アメリカでは、環境保護庁は国民の健康と環境を守るためにPFAS規制に動いていて、

それを阻む米軍という構図。


日本では、環境省が米軍と同じようなことを言っている・・・。



アメリカのPFAS汚染問題も、もちろん問題山積ですが、

日本には、EPAさえもない状況、

米軍のような環境省しか日本にはないことに途方にくれながらも、

このような行政は変えなければならないと痛感しました。



*引用サイト

■データ不足が問題なのに「血液検査はかえって不安を」と後ろ向きな環境省。

PFAS対策の「戦略」はどこへ

スローニュース2024年8月14日

https://slownews.com/n/n7bf9c75d53d3


= 関連ニュース =


環境省も米軍に従っているんでしょうか?

■「PFAS漏れ事故は『非公表』で」アメリカの要求に日本は従い、

国民に真実を隠した…政府関係者が経緯明かす

東京新聞 2024年7月10日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/339009



= 関連サイト =

学習会は木曜日の夜にもかかわらず、定員104名の会議室で満員御礼!

参加者の皆さんは、とても熱心で、質問もたくさん寄せられ、有意義な会になりました。

フェイスブックに写真など投稿していますので、よろしければご覧ください。

https://www.facebook.com/kaoru.kohashi/posts/pfbid02EaP2KmsBskDEz4wi926zKDH5NoxXEkGMaBNufEy7u3JiLrn4XsxFi1fBLzvd6nVPl


また、この状況をなんとかするために、仲間たちと神戸市会への陳情に動いています。

陳情署名も募っておりますので、よろしければご協力ください。

■20240831 締切 神戸市議会宛 PFAS署名(PDF)

https://drive.google.com/file/d/1Vf_CWSTmwGM1oJxHLKJ45xlUsI911Uej/view

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++ 今週の気になるニュース  ++


できもしないことに、作業員を被ばくさせ、税金を投入するのを止めたいです。


■福島第一原発 核燃料デブリ取り出し 直前で延期 再開時期未定

NHK WEB NEWS 2024年8月22日

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240822/k10014555731000.html


■青森・六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の審査難航

…30年以上「未完成」状態、日本原燃の見通しに甘さ

読売新聞 2024/08/19

https://www.yomiuri.co.jp/science/20240817-OYT1T50206/



そもそも、この大地震の多い日本で、なぜ原発に固執するのでしょう?

一部の既得権益に税金を環流するためとしか、私には思えません。


■東海第2原発 安全対策工事 2年余延長へ 防潮堤不備 茨城

茨城新聞2024/08/21

https://nordot.app/1198754056816837514


■電力11社の原発安全対策6兆円超、朝日新聞調査 災害対策で高騰か

朝日新聞2024年8月20日

https://www.asahi.com/articles/ASS8M23PDS8MULBH00FM.html


こちらの主な環流先は米軍需産業かと?

        ↓

■<独自>防衛費、過去最大8兆5000億円要求へ 長射程ミサイル取得、宇宙作戦団新設

産経新聞 2024/8/21

https://www.sankei.com/article/20240821-QDZRXUBT7RMEJJRJGFBV32YNEM/




++ イベント紹介 ++


☆原発はいらない!大切な海を守りたい!

はっぴーあいらんど祝島からの発信@zoom茶話会

日時:2024年9月15日(日)19:00~21:00(+交流会)

会場:Zoom

お話:國弘秀人さん、國弘優子さん(山口県・上関町祝島にて民宿経営)

参加費:無料(カンパ歓迎)

申し込み:要

お申し込みは、こちらから↓(申し込み締め切りは、9月13日です)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScVfld0l2GrclA93sgxUnJGQ_hbZEDoP2Gt7UN7hTp7O9_dPQ/viewform

主 催:さよなら原発神戸アクション

詳細:https://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-268.html

FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/1210715006796121



いよいよ明日です!

☆映画「決断 運命を変えた3.11母子避難」上映会

日時:2024年8月25日 日曜日    

1 受付10時   上映10時半~ 終了後、原告のトーク     

2 受付13時半   上映14時~   終了後 、原告のトーク   

場所: こうべまちづくり会館2階ホール  

   https://kobe-machi-kaikan.city.kobe.lg.jp/access/(元町商店街)

参加費: 一般1000円 学生・避難500円

主催:原発賠償ひょうご訴訟団

2011年3月11日、東日本大震災 福島原発事故により

人生最大の「決断」を迫られたある10家族のドキュメンタリー映画です。

映画関連サイト:https://eiga.com/movie/101252/



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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

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https://www.mag2.com/m/0000273399.html


学習会でのパットさんの資料から