2024年3月2日土曜日

【第803号】「健康への権利」とわたし

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★


2017年にリバプールで藤田早苗さんと知り合ってから、

それまで「ぼわ~」としか認識していなかった「人権」という概念が、

どんどん明確化、細分化されてきました

(それが国際的な人権の捉え方ということも学びました)。


今、私は、私自身の身近な環境を汚染しているPFAS問題に集中していますが、

そこから浮かび上がってきた「人権」項目がひとつがあります。


それは「健康への権利」

以下、今週ネット検索で見つけた15年前の藤田さんの記事から抜粋します。


* では、「健康への権利」とはどういう内容を含むのだろうか。

この権利は単に健康である権利ではなく、医療、安全な水へのアクセス、適切な衛生設備、安全な労働環境、健康に関する情報と教育、またその他の健康に不可欠な条件となるものへのアクセスを含む。さらに政府に対して、差別や不公平を是正する義務を課す。

 (中略) 

 また、この権利は「漸進的実現」の対象であり、政府は例えば一夜にしてこの権利を実現するようには要求されないが、実現のための漸進的な努力を要求する。

 したがって、この権利の漸進的実現を計るために、指標と目標値が必要である。しかし、この権利は資源の利用可能性に影響されるものでもある。言い換えれば、例えばジャマイカよりも日本のほうがより高度な要求をされる。



今回のPFAS問題にあてはめて考えると、

PFAS汚染によってすでに健康被害が出たか出ていないかに関わらず、

できるだけ安全な水、安全な空気、安全な土壌、そして安全な食べ物に私たちがアクセスできるように、

日本政府は、一歩ずつでもその実現のために努力しなければならないということでしょう。


そして、日本がいわゆる先進国というのなら、

アメリカやEUと同等の規制強化に向けて動かなくてはならないということでしょう。


現在パブリックコメントにかけられている

内閣府食品安全委員会が出してきたPFASの指標値案は、

欧米並に強化するどころか、

現状維持、あるいは規制緩和の可能性も懸念されるものです。



これでは、日本政府は私たちの「健康への権利」を

ないがしろにしていると言うしかないのではないでしょうか?


抜粋を続けます。


* この権利は不利な立場にある個人やコミュニティが、前述のようなこの権利に不可欠な条件となるものに確実にアクセスできるように政府に要求する。つまり、社会正義の要素ももつ。またこの権利は健康に関する政策や計画によって影響を受ける人が、それらの立案や実施に関して情報を与えられて積極的に参加できるように政府に要求する。



今出されている指標値案が通れば、

私たち関西の住民は、欧米の規準の何倍ものPFASが入った水道水が供給され続けることになります。


今、できること。

パブリックコメントを通して、

安全な水、安全な食べ物へのアクセスを、政府に求めます。



*引用サイト

■健康への権利とは―元国連特別報告者に聞く

藤田 早苗 (ふじた さなえ) エセックス大学人権センター

 到達可能な最高水準の身体および精神の健康を享受する権利(健康への権利)に関する初代国連特別報告者、ポール・ハントさん(2002年 8 月-2008年 7 月、現在エセックス大学ロースクール教授)へのインタビューをもとに構成したもの。

https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2009/05/post-55.html



= 関連サイト =

関西の水道水が汚染されているって、どういうこと?と思われる方は、

兵庫県内の水道水のPFAS汚染状況をまとめた、

■丸尾まき兵庫県議の「ほうれんそう通信 第101号」中面 をご覧ください。

https://www.ne.jp/asahi/maruo/hourensou/hourensou/101/b.html


PFASの水道水の各国の規準比較など、とてもわかりやすく説明されている

「ほうれんそう通信 第101号」表面

https://www.ne.jp/asahi/maruo/hourensou/hourensou/101/a.html

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★



++ パブコメのお願い(締め切りは3月7日) ++

胎児や子どもへの影響を予防するための指標値がまったく反映されていない、

PFAS規制の強化に向かう世界に逆行する時代遅れの指標値案を撤回、改善させるために、

内閣府食品安全委員会のパブリックコメントに意見を出しましょう!

おひとりでも多くのご協力をお願いいたします。


パブコメの送り先、送り方はこちらをご覧ください。↓

https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_pfas_pfas_060207.html


何をどうやって書いたらよいの??と思われる方は、拙まとめブログがご参考になれば☆

■PFAS:時代遅れの食品健康影響の指標値案を改善するためにパブコメを送りましょう!

https://flowersandbombs.blogspot.com/2024/02/




++ 今週の気になるニュース  ++


「健康への権利」・・・放射能汚染されていない水、空気、土壌を求めます。


4回目となる処理水という名の放射性汚染水の放出が始まりました。

このような賠償を支払いながら、なぜ放出を続けるのでしょう?

他にもモルタル固化などの放射性物質集中管理の方法はあるのに。

    

■処理水の海洋放出に伴う賠償支払いは40件・43億円 

輸出が通常の半分になった事業者も

福島テレビ 24/02/28

https://www.youtube.com/watch?v=0PGE2JaV1eY



除染土壌という名前ですが、ほんとうは低レベル放射性廃棄物です。

(100ベクレル/kg以上は低レベル放射性廃棄物で、除染土壌と呼ばれているものは8000ベクレル/kg以下のものです。)

それを政府一体となって、日本中の農地や公園に拡散しよう提言しているのが自民党。

    ↓

■再生利用「政治主導で」 自民復興加速化本部 政府へ提言案 

除染土壌の福島県外最終処分

福島民報 2024/02/28

https://www.minpo.jp/news/moredetail/20240228114875

「再生利用先の創出などは福島第1原発の処理水放出の際の経験を踏まえ、

政府一体となった体制整備に向けた取り組みを進めるよう求める方向だ。」

「環境省は全国で再生利用を拡大させるため福島県外での実証事業を計画したが、

予定地周辺の住民の反発を受けて頓挫している。」

            ↑

発がん性物質である放射性物質を拡散するなと、しっかりと声を上げていきます。




++ イベント紹介 ++


☆311神戸からの祈り2024 

今年は、「311のキャンドルナイト」に連携して、神戸三宮のマルイ前に集います。

日時:2024年3月11日(月)18:30~19:30(18:45~19:15キャンドル点灯)

場所:神戸三宮マルイ前路上

*よろしければ、ご自身のキャンドルをご持参ください。

主催:311神戸からの祈り実行委員会

問い合わせ:sayogenkobe-staff★mlist.ne.jp または ginga08ms★hotmail.com

(上記のメールアドレスの★の部分は@に変えてください)


~「311のキャンドルナイト」からのメッセージ ~

東日本大震災から13年が経ちます

あの日、午後7時3分に発令された「原子力緊急事態宣言」は今も解除されていません。

まだ多くの被災者が県内外で散り散りに暮らしています。

今年の311。いっしょに「311のキャンドルナイト」をしませんか。

今でも痛い 私と誰かの癒しとなりますように。

詳細:https://sayogenkobe.blog.fc2.com/blog-entry-262.html



明日のイベントです。

☆福島原発事故から13年のつどい~終わらないフクシマ~

と き:2024年3月3日(日)13時半開会~16時終了 ※13時開場

ところ:兵庫県加古川総合庁舎1階講座研修室

    https://web.pref.hyogo.lg.jp/ehk01/e_harima/area_00001.html

内 容:講演とお話し

    講 演「福島原発事故ひょうご訴訟の現状」  坂本知可弁護士

    お話し「障害と避難 ~着のみ着のままでひなんすること」 槙さん

参加費:800円

主 催:脱原発はりまアクション

協 賛:生活協同組合コープ自然派兵庫



☆「花と爆弾」20周年オンライン企画

大人のための現代史with 記録動画

ベトナム戦争からみるアメリカ~ベトナム、アフガン、そしてガザ~

開催日:2024年3月30日(土)

時間: 20時 ~21時30分 (19:50入室開始)

場所: オンライン(zoom)

参加費:1000円 (全額を寄付させていただきます。)

お問い合わせ・お申し込み: kaorukobashi☆hotmail.com (小橋)☆を@に変えてください


昨年から続くパレスチナ・ガザ地区での惨状を目の当たりにして、

どうしてこのような戦争の暴力が止められないのか、心を痛めている方も多いと思います。2004年にアフガニスタンで繰り広げられる惨状に、いてもたってもいられなくなり、

チャリティ詩画集『花と爆弾~もう、戦争の暴力をやめようよ~』を上梓して、早くも20年が過ぎてしまいました。

世界各地で戦争の暴力は続き、止むことはありませんが、歴史と事実に向き合えば、

悲劇を繰り返さないようにできると信じて作成された動画に巡り会いました。


この動画はアメリカの高校生、大学生に向けられて作られたものですが、

日本語字幕を付けられたレイチェル・クラークさんをお招きし、

アメリカ社会と戦争の背景の解説、みなさまからの質問に答えていただきます。

私たち日本の大人が若者たちに語ることができるように、そして戦争のない未来を迎えるために。

主催:花と爆弾ーもう、戦争の暴力はやめようよー https://hanabaku.blogspot.com/

詳細:https://whatsnew-on-flowersandbombs.blogspot.com/2024/02/with-20.html




++ ++ ++ ++

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

++ ++ ++ ++



♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html


神戸市西区から明石市へと流れる明石川
丸尾まき兵庫県議撮影
この川を汚染する汚染源を見つけて、きれいな水を取り戻したいです