「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言
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今読んでいる『「人」から考える「ビジネスと人権』の中で、
劇作家の平田オリザ氏による他者とのコミュニケーションについての考察が
興味深かったので、ご紹介します。
*英語圏では、会話は「カンバセーション」、
対話は「ダイアローグ」と、明確に違うものとされます。
しかし、日本では、その違いはあまり意識されてきませんでした。
平田氏は、会話は「親しい人同士のおしゃべり」、
対話は「異なる価値観を持った人とのすり合わせ」であると定義しています。*
私自身も、数年前から関わるようになった国連特別報告者や人権理事会で、
この「対話」という言葉に触れる機会が多くなり、
また「対話」という姿勢が重要視されているのだなぁと感じていたことから、
気になっていたものなので、とても腑に落ちた定義でした。
今読んでいる本は、「ビジネスと人権」についてなので、
日本の企業の多くが、被害を受ける人(ライツホルダーやステークホルダーと呼ばれます)との「対話」が苦手だが、回避はするべきでない。
だからと言って、対話の場を設けても、聞き流すだけの姿勢で臨むことは、
よからぬ結果をもたらすだろう、
と企業を主語にした文脈になっていますが、
これは日本政府にも当てはまるなぁとつくづく思います。
今週、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水についての
国連特別報告者6名からの情報提供要請に対する日本政府の回答が
外務省のサイトに掲載されました。
最後に国連報告者とは?として、下記の説明が付記されています。
「特別報告者は、特定の国の状況又は特定の人権に関するテーマについて調査報告を行うために、人権理事会から個人の資格で任命された独立の専門家であり、同専門家の見解は、国連又はその機関である人権理事会としての見解ではない。」
いかがでしょう?
聞く耳持たずという印象を受けませんか?
本来、国連特別報告者の任務は、
人権問題について「調査、助言、勧告、報告」することであり、
すなわち、その問題の世界的エキスパートとして、政府と対話することです。
聞き流すだけの姿勢では、
日本国にもよからぬ結果をもたらすのではないでしょうか?
= 今読んでいる本 =
*『「人」から考える「ビジネスと人権」』湯川雄介著 有斐閣 2024年刊
↑
一般企業の人権担当者にわかるように書いているので、
人権で被害を受ける人とは?など、大切なエッセンスがまとめられていています。
企業担当者だけでなく、すべての人に読んでもらいたいです(被害者になる可能性は皆にあるはずですから)。
= 関連サイト =
■特別報告者6名からの情報提供要請に対する日本政府の回答
外務省2025/5/19
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/pagew_000001_01661.html
国連特別報告者についての基本的な説明はこちらが参考になると思います。
(ちょっとわかりにくいですが。)↓
■特別手続き(国連広報センター)
https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/hr_bodies/special_procedures/
= 関連ブログ記事再掲 =
7世代に思いをはせて【第801号】PFASから見る「ビジネスと人権」
https://nanasedai.blogspot.com/2024/02/801pfas.html
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++ 今週の気になるニュース ++
■ダイキンPFOA作業員に間質性肺疾患 「粉がいっぱい服についた」
医師「被害者は5人、10人では済まない」
TANSA 公害PFOA 2025年05月20日
https://tansajp.org/investigativejournal/11960/
(ダイキンは)自社の論文ではないため、質問に答えられないという。だが、分析方法や精度は論文内に書かれている。そもそも科学誌『Industrial Health』に掲載済みということは、査読された論文なのだ。「答えられない」のではなく、「答えたくない」だけではないのか。
↑
ダイキンは自社の労働者の人権侵害の可能性を認めて、
ビジネスと人権指導原則に則ってしっかり対応する必要があるでしょう。
■「食品安全委員会に書き直された」と座長が爆弾発言!
PFASリスク評価への「介入」はあったのか
SlowNews 2025/5/23
https://slownews.com/n/ned336da23179
食品安全委員会という内閣府の組織は、国民よりも企業のために動いている?
PFASの評価した時の論文差し替えや事務方の「暗躍」も憤りますが、
農薬の評価のための論文選択は、農薬企業がやっている・・・
ほとんど泥棒に鍵を作らせているみたいなものだと思いませんか?
↓
■殺虫剤ネオニコチノイドは安全なのか?
日本と欧米で分かれる判断 PFAS、食品添加物と同じ構図
猪瀬聖 2025.5.21
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3e59bc871e81861811c384a0cba9901530ac3a05
奪われるのは、私たちの健康と未来です。
最後に混迷の続く兵庫県について。
■斎藤知事「重く受け止めたい」消費者庁の「公益通報者保護法の徹底通知」にコメント「大切な制度。しっかり制度運用したい」
MBSニュース 2025/5/23
https://news.yahoo.co.jp/articles/2115efe725d4f3db071f85dc84efd992c4048256
斎藤元彦氏の兵庫県知事としての記者会見を、この半年ほどの間に何度も視聴しましたが、彼の「重く受け止める」は「聞き流す」という意味であると私は理解しています。
++ イベント紹介 ++
☆つなぐ神戸市会議員団市政カフェ@zoom
日時:2025年5月27(火)の20時から21時まで(無料)
つなぐ神戸市会議員団では、市民と神戸市政をつなぐ、オンラインカフェを
月に1回(第4火曜日 20時 から 21時)開催しています。
5月議会が26日から6月10日まで開催されます。
今回は香川しんじ議員に、つなぐ会派としての取り組みを中心に
報告していただき、交流したいと思います。
5月議会は短いですが、議長などの役員を決めますし、
10月の市長選挙に向けた市長の動きもあるかもしれません。
参加希望の方は下記よりお申込みください。 ↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/tsunagukobe
※お問い合わせ内容欄に、「市政カフェ参加希望」とご記入ください。
メールアドレスに、当日の参加URLをお送りいたします。
主催:つなぐ神戸市会議員団
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私も参加して、神戸市のPFAS対策について質問しようと思います。
++ 英語のブログを更新しました ++
☆Peace-preaching Kamishibai in Osaka
https://tankaagainstwar.blogspot.com/2025/05/
久しぶりの更新ですが、アジア圏からのアクセスの多いブログですので、
関西万博に来る人もいるかなと思い、
道頓堀での素晴らしい紙芝居の取り組みを紹介してみました。
参考にした記事はこちらです↓
■ミナミで平和説く紙芝居、万博会期中に毎日上演へ
https://namba.keizai.biz/headline/5587/
++ ++ ++ ++
素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ
ナバホ族の格言
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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪
♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。
2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。
さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。
できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。
「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/
ブログ「花と爆弾」Words for Peace: https://flowersandbombs.blogspot.com/
ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
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新緑が美しい季節ですね |