「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」
ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言
゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★
「311子ども甲状腺がん裁判」をご存じでしょうか?
東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、
事故当時、福島県内に住んでいた若者が東京電力に損害賠償を求めた裁判です。
その第15回口頭弁論が2025年9月17日(水)に開かれ、
事故当時小学6年生だった女性が原告として意見陳述しました。
彼女の陳述からの抜粋を掲載させていただきます。
~~~~
(前略)
高校2年生のときに甲状腺がんが見つかって、手術することになりました。どうしてがんになったのか、先生に聞くと、「この大きさになるには10年以上かかるから、原発事故の前にできたもの」と説明されました。私は、「原発事故と関係ない」というその言葉を素直に受け入れました。
震災や原発事故があっても大丈夫だった。がんになっても大丈夫だった。
そう感情を麻痺させてきたツケを払うように、心も体も壊れていきました。
(中略)
裁判のためにカルテを開示すると、1回目の検査の時は、がんどころか、結節もありませんでした。わずか2年で、1センチのがんができたのです。しかも、リンパ節転移や静脈侵襲がありました。
「事故前からあった」という医師の発言は嘘でした。
(中略)
私が受けてきたものは構造的暴力です。命より、国や企業の都合を優先する中で、私たちの存在はなかったことにされていると気づきました。
私たちは論争の材料でも、統計上の数字でもありません。甲状腺がんで、体と人生が傷ついた私たちは、社会から透明にされたまま、日々を生きています。
私にとって福島で育つということは、国や社会は守ってくれないということを肌で感じることでした。十分すぎるほど諦め、失望しました。でも、私は、抵抗しようと思います。
命と人権を守る立場に立った、どうか独立した、正当な判決をお願いします。
~~~~
どうぞ、ご本人の声での陳述をお聞きください。
■原告8意見陳述〜第15回口頭弁論(2025年9月17日)
【311子ども甲状腺がん裁判】
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=lasSeaAcJ9w&feature=youtu.be
彼女の陳述が報道されているか検索しましたが、ヒットしたのは1件のみでした。
■「私たちは論争の材料でも統計上の数字でもない」子ども甲状腺がん裁判
原告女性が意見陳述 東京地裁
テレビユー福島 2025/9/18
https://news.yahoo.co.jp/articles/726537638ce29af21142a9f1dfd53d6aa03ca2a5
メディアという企業も彼女を透明なままにしようとする
構造的暴力の一角なのでしょうか?
゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★
++ 今週の気になるニュース ++
原発事故すなわち、放射性物質に被ばくすることで起きる負の影響を
透明にしたまま、放射性物質を拡散していく政府・・・。
■福島第一原発事故の「除染土」霞が関で再利用…
環境省や厚労省など3つの庁舎の花壇に使用 首相官邸の前庭に続き2例目
FNNプライムオンライン 2025/9/14
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a4e1c5fdd289ccc8b2de411403885d5e12966cd
政府が全国で再利用しようとしている「除染土」という放射性汚染土は、
原発構内では放射性廃棄物として厳重保管されているものです。
「安全という誤解」を振りまく「構造的暴力」に気づいてください。
■8000ベクレル以下が安全という誤解
まさのあつこ 地味な取材ノート 2025年9月14日
https://note.com/masanoatsuko/n/n15f65b1cd50c
注:1ベクレルとは、1秒間に1本放射線を出す能力です。
すなわち、8000ベクレル/kgの土が1トン目の前にあると、
1秒間に8000000本の放射線が飛び、周りの生物のDNAを傷つけていくということです。
■ダイキン従業員の血中から高濃度のPFOAを検出…
検査から25年にしてようやく明らかに
SlowNews
2025/9/18
https://slownews.com/n/n46ae49900d3a
ダイキンは非公開の工場近辺で野菜を作る人限定の説明会で「国際機関の見解と真逆の説明:我々は、健康に対するリスクは非常に小さいという認識をもっています」と発言。
PFASに汚染された生まれ故郷のミネソタ州でPFAS規制を実現させながらもガンで亡くなったアマラに言わせれば、「死に至る嘘」でしょう。
アマラについて気になる方は、こちらをご覧ください。
「7世代に思いをはせて」【第882号】死に至る嘘
https://nanasedai.blogspot.com/2025/09/882.html
■日本:ダイキンの大阪府の製作所で、従業員が高濃度のPFOAを曝露していたことが報じられる
ビジネスと人権リソースセンター 2025/9/11
https://www.business-humanrights.org/ja/
↑
TANSAの記事([ダイキン、従業員のPFOA曝露を初めて認める 通常の「500倍~5万倍」検出、住民向け説明では「健康被害ない」と詭弁] 2025年09月11日)が、
ビジネスと人権リソースセンターで大きく報じられています!
ビジネスと人権リソースセンターは、事業における人権を推進するという国際的な団体です。
ダイキンがPFASの健康影響や汚染者負担の原則という国際基準を順守する方向に動く、後押しになってほしいです。
また、日本政府もPFASの規制について、国連「ビジネスと人権」作業部会から、
最新の科学的知見に基づいた追加対策の必要性を勧告されています。
放射性物質もPFASも、この国は私たちの健康を守らない・・・
そんな構造的暴力を、やめさせなければならないと、強く思います。
++ イベント紹介 ++
透明なままにされている核被害者は世界中に・・・
大切なフォーラムです。
↓
☆広島・長崎被爆80周年「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」
日時:2025年10月5日(日)―10月6日(月)2日間
会場:アステールプラザ
(広島市中区)
主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト
参加費や申し込み方法などは、こちらをご覧ください↓
https://mp-nuclear-free.com/Nuclear/2025_WNVF_04_restricted.html
明日です!
☆戦後80年・被爆80年の秋にみんなで学ぼう
原発を動かすとこんなに怖い 原子力発電所のうそとホント・新増設は愚かで危険
日 時:2025年9月21日(日)14時~16時半
場 所:アスピア北館
ウィズあかし 7階 701号室
JR・山陽電鉄「明石駅」から徒歩約3分
アクセス→https://x.gd/jGK9k
地図→https://x.gd/6ia09
講 師:守田敏也さん
参加費:500円(障がい者無料)
主 催:脱原発 明石・たこの会
詳細:http://www.labornetjp.org/EventItem/1757654285618matuzawa
++ ++ ++ ++
素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ
ナバホ族の格言
++ ++ ++ ++
♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪
♪♪ 発行者プロフィール ♪♪
小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。
2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。
2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。
さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。
できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。
「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/
ブログ「花と爆弾」Words for Peace: https://flowersandbombs.blogspot.com/
ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/
メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000273399.html