2025年9月27日土曜日

【第885号】淀川製作所の21世紀の公害

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言

                                         

゜★。.:*:'゜☆。.:*:'゜★

 

今週は、大阪府摂津市のダイキン工業淀川製作所の近隣住民の方々が、

長年の工場からのPFOA汚染の影響による

環境調査結果の開示や健康調査を求め、

年内に大阪府公害審査会へ公害調停を申請することが、

報道されました。

 

 

PFASの中でも発がん性物質であるPFOAが、

淀川製作所から長年、大量に放出され続けていた(現在も続く)ことを、

私が知ったのは、2023年。

世界的に健康影響が問題になってから、20年以上も、

知らされないまま、汚染された水、空気を摂取していたのか!と

驚愕しました。

 

日本という国は、なぜこんなに環境や人々の健康に鈍感なのか?

ほんとうに不思議です。

 

PFAS問題を追い始めてから、知った「ビジネスと人権」作業部会。

政府には、人権を守る義務を、企業には人権尊重の責任を、

そして、両方に被害の救済を求める、国連機関です。

 

最後に、私が参加した国際的シンポジウムでの

ビジネスと人権作業部会Yeophantong委員(訪日調査メンバー)による

私の質問への回答を紹介します。

 

利益を人よりも優先する企業、

質問者のおっしゃるように、人々の健康と環境を犠牲にする企業にとって、

グローバルなサプライチェーンとグローバル市場で生き残ることは

ますます困難になるでしょう。なぜなら、ビジネスと人権、

特に義務的な人権デュー・ディリジェンスに関する法律が増えているからです。

(中略)

同時に、PFAS汚染などの問題が主な義務の担い手である政府だけでなく、

関係する企業によって迅速かつ十分に対処されるよう、

強固な法的枠組みを確実に整備することが重要です。」*

 

公害調停により、

ダイキン工業が、負の影響を引き起こした企業として、

まずは、しっかりライツホルダーである住民と対話すること。

これまでおざなりにしてきた

このビジネスと人権対応における「一丁目一番地」を果たすのか、

しっかり注目していきたいと思います。

 

 

++ 関連サイト ++

Business and Human Rights in Japan

Club suisse de la Presse 2024/06/26

https://www.youtube.com/watch?v=ZjEj_XbIgfQ

1:18:50ごろから、私の質問への回答です。

 

ブログで詳しく説明していますので、再掲します。

■「ビジネスと人権」から考える「有害化学物質」PFAS汚染の解決法

Words for Peace 2025/6/24

https://flowersandbombs.blogspot.com/2025/06/

 

 

++ 関連ニュース ++

PFASで公害調停申請へ、大阪 全国初、ダイキン相手に

共同通信 2025/9/24

https://news.yahoo.co.jp/articles/3aaefb799de8709ffbcefb45af631487f341fdfe

 

■水路から高濃度のPFAS検出、

周辺住民らが検診など求める全国初の公害調停申請へ

読売新聞 2025/9/26

https://news.yahoo.co.jp/articles/a8c4ba3b8a7c821cfd15c3d06b6c9d5030051990

「ダイキン工業広報グループは25日、「申請された場合は、調停手続きにおける対話を通じ、弊社としての対応を検討する」とコメントした。」

 ゜★。.:*:'゜☆。.:*:'゜★

 

 

 

++ 今週の気になるニュース  ++

 

神戸新聞では、社説や1面トップなどで、ダイキンによるPFAS汚染を伝えています。

■<社説>PFASの検査/ダイキンは結果の公開を

神戸新聞 2025/9/24

https://www.kobe-np.co.jp/opinion/202509/0019509059.shtml

「・同社(ダイキン)は被害防止に役立てるため、(従業員の血液検査の)結果をすみやかに公開するべきだ。

・工場が面する淀川の水は兵庫県内の水道にも使われている。環境汚染が広域に影響を与える恐れがある以上、同社は地域を限定せずに説明を尽くす責任がある。」

 

PFAS同様、透明な有害物質・・・放射性物質も要注意です。

 

■高濃度放射性セシウム含有微粒子(CsMP)が語る 原発事故の知られざる真実

i 女のしんぶん 2025922

https://note.com/w_newspaper1962/n/nab742a4ef5b9

       

とても重要な最新研究についての記事です。

東電福島第一原発の1号機の爆発で飛んだ粒子の中から、

1粒子で250万ベクレルという高い放射能を持つものも発見されたとのこと。

他にも非常に懸念される研究結果が報告されています。

 

名前をいかに変えようと、放射性汚染土である事実は変わりません。

             ↓

■除染土は「復興再生土」に 安全性強調、利用を推進 環境省

時事通信社 2025/9/22

https://news.yahoo.co.jp/articles/01e3891d861b5007f09727705a77501fd22c84da

 

そしえ、原発はすでに時代遅れの技術であることも、変わりません。

            ↓

■原子力発電、24年は過去最高も今後減速へ 投資不足や老朽化で

ロイター 2025/9/22

https://news.yahoo.co.jp/articles/cad23660edccf52f61ad409e08c0730c940b4a46

 

 

最後に、日本がなぜこれほどまでに、自国の環境や国民に冷淡なのか・・・を

考えた時、この日米地位協定いう占領体制が根本にあるのではないかと思わざるを得ません。

占領期から変わらない日米地位協定の改定は、独立国として、必須です。

 

■日米地位協定、改定案作成へ 立民、研究会で年内に

共同通信 2025/9/25

https://news.yahoo.co.jp/articles/0aa1bf425ac2fa43bac9315c77ff29eb05c409b9

 

 

 

++ イベント紹介 ++

☆広島・長崎被爆80周年「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」

日時:2025105日(日)106日(月)2日間

会場:アステールプラザ (広島市中区)

主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA

核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト

参加費や申し込み方法などは、こちらをご覧ください↓

https://mp-nuclear-free.com/Nuclear/2025_WNVF_04_restricted.html

オンラインでの視聴申し込みは、こちらから↓

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdZAB3M8ME-79w5dirpRCpaO7dDpGLuxZME4pl_eeAda7hSEA/viewform

 

 

平日の夜ですが、「花と爆弾」協力イベントです♪

  ↓

☆ベテランズフォーピース講演会@KOBE

神戸とシアトル、そしてガザ

 フレンドリー&ピースフル

しなやかに強く、つながるために

日時:20251030日(木)18:30~20:301800開場)

会場:神戸市立中央区文化センター1001&1002号室(先着100名)

アクセス:https://www.kobe-bunka.jp/facilities/chuo/

参加費:1000円(25才以下無料)

 

登壇者予定者と講演内容

〇ケム・ハンター: 核なき港を望む姉妹都市 シアトルと神戸のつながり

スタンフォード大学。ベトナム戦争に2度従軍した後、シアトル消防局消防士、弁護士、ワシントン州インデックス市の市議会議員、市長と多彩な経歴を持つ。ベテランズフォーピースのシアトル支部理事。

〇ジョイ・メツラー: ガザと良心的不服従

2023 年に米空軍士官学校を卒業し、良心的不服従者として空軍を退役。 ガザで繰り広げられる残虐行為への米国による資金援助と支援を理由に、米国の加害行為に加担し続けることを拒否。

〇形川健一(なりかわけんいち):自衛隊のリアル

大阪出身。高校卒業後27年間海上自衛隊に勤務。2012年アフリカ派遣を機に自衛隊と日本に疑問を感じ2014年依願退職。現在、広島県三次市で自然農家・百姓見習い。VFPジャパン共同代表

〇通訳&コーディネーター:レイチェル・クラーク

 

主催:2025ベテランズフォーピース・スピーキングツアー@KOBE

詳細:https://whatsnew-on-flowersandbombs.blogspot.com/

問い合わせ:kaorukobashi@hotmail.com (小橋)

 

 

 

++   ++          ++          ++  

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言

++   ++          ++          ++  

 

 

♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪

 

 

 

♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HPhttps://hanabaku.blogspot.com/

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: https://flowersandbombs.blogspot.com/

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html

 


       ■PFAS「公害調停を」 全国初申請へ 大阪・ダイキン工場近隣住民

       毎日新聞 2025/9/25