2024年6月29日土曜日

【第820号】東京へ、ジュネーブへ

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週は、仕事の合間をぬって、

東京に電話し、ジュネーブの会合にオンライン参加しと忙しく過ごしました。

それもこれも、内閣府食品安全委員会が、

緩すぎるPFASの1日当たりの摂取許容量を指標値として決定したからです。


東京の食品安全委員会への電話の内容は、拙ブログに詳しくまとめました。

今後、水道水のPFASのリスク管理を環境省は決めることになりますが、

そのときにも訴えようと思う内容です。

            ↓

PFAS指標値@日本と私たちの「健康への権利」

https://flowersandbombs.blogspot.com/2024/06/



ジュネーブの会合とは、元ジャニーズの被害者の男性が人権理事会で訴えられたことから、

メディアでもとりあげられていた人権理事会の「ビジネスと人権」に関するサイドイベントです。


昨年、国連の「ビジネスと人権」作業部会が訪日調査し、その報告書を今回の国連人権理事会に提出しました。

その報告書では、PFAS汚染問題も取り上げられ、国レベルでのPFAS汚染対策の必要性と汚染企業の責任について言及されていたので、


私もPFASに汚染された関西の住民としてオンラインで質問し、

日本政府のPFAS汚染対策への後ろ向きな姿勢(25日に決まったばかりのヨーロッパの64倍のゆるい指標値も紹介)や、半導体工場やダイキンの利益が住民の健康より重視されていることを伝えると、

昨年の調査で来日された作業部会のYeophantong氏が回答され、


人々の健康や人権、環境より利益を優先する企業が、今後国際的なサプライチェーンで生き残るのは難しい」と、何度も強調されました。


国連だけではなく、投資家も企業の「ビジネスと人権」への取り組みを注視しているのです。


PFAS汚染問題にしっかり取り組むことは、私たちの健康と環境、

そして低迷を続ける日本の経済のためにも、重要なことなのだと、

また東京に電話したいと思いますし、

もっと広く訴えていきたいと思いました。



= 関連サイト =

「ビジネスと人権」サイドイベントの録画です。

使用言語は英語ですが、自動日本語字幕でだいたいの要旨は理解できます。

どれも重要な内容ですが、PFASに関する質問は、1時間15分あたりから始まります。

■Business and Human Rights in Japan

Club suisse de la Presse 2024/06/26

https://www.youtube.com/watch?v=ZjEj_XbIgfQ


■ビジネスと人権作業部会 訪日調査報告書 パラグラフ62&63

https://www.ohchr.org/en/documents/country-reports/ahrc5655add1-visit-japan-report-working-group-issue-human-rights-and



= 関連ニュース =


■政府がPFAS摂取許容量を決定、「緩すぎる」のパブコメに耳貸さず…

原案通り「ヨーロッパ基準の60倍」

東京新聞 2024年6月25日 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/335934


■国連人権理事会 ジャニー氏性加害問題など日本調査の結果報告

2024年6月27日 14時27分 (NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240627/k10014493431000.html


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++ 今週の気になるニュース  ++


関西人は、ダイキン(淀川製作所)に対してもっと怒っていいはずです。

私たちの体と環境をPFOAで汚染して儲けた金で、

退任する会長に43億円も贈呈するのですから。

 ↓

■【音声記録入手】ダイキン工業、株主総会で「フッ素事業を伸ばしていきたい」/

PFOA汚染への補償ないまま井上会長に43億円/井上氏「本当に幸せな会社」

TANSA 2024年06月27日

https://tansajp.org/investigativejournal/10774/



■〈社説〉PFAS水道汚染 生活と健康守る対策急げ

信濃毎日新聞デジタル

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024062500190

「日本はどうか。内閣府食品安全委員会が国際的な規制強化を受けて食品健康影響評価をしたが、「証拠の質や十分さに課題がある」などとし、人が一日に摂取できる許容量を現行のまま据え置いた。PFASを使う産業界への配慮、との見方もある。

 因果関係が分からないからと被害を放置し、多くの命と健康を損ねた水俣病をはじめとする数々の公害問題に学ぶべきだ。疑わしきは健康を最優先して対処すべきことが明らかではないか。」← そのとおりです。



■関西電力の株主総会 全原発稼働で株主から安全性などに不安の声も 

福島原発事故から避難の株主は「どんな原発とも共存できない」

MBS NEWS 2024/6/26

https://news.yahoo.co.jp/articles/fbfd9c693a4205c9fe048c1dcb7ca54593c34892


事故を起こせば、環境も暮らしも破壊する原発は、

最悪の人権侵害を引き起こすビジネスだと思いませんか?



++ イベント紹介 ++


明日です!

☆ガザに平和を!市民集会in兵庫 

日時:2024年6月30日(日)14時から16時

会場:神戸市立婦人会館『さくら』の間

参加費:500円(資料代)

*田浪亜央江さん(広島市立大学准教授)による講演

テーマ<ガザにおけるジェノサイドの背景と「パレスチナ解放」の射程>

*終了後 大丸百貨店手前までパレード

詳しくは、チラシをご覧ください↓

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02CMhKhkLRQeiE3C6JUBvFcaZZqiQJe4yr9ZiZKZb4sZVW2gEgpxAVv8Dy4854QFoel&id=100082149511401



「花と爆弾」を熱心に支援してくれた奈良の本門寺さんのイベントです。

西谷文和さんの貴重な報告です。

      ↓

☆ サローネ・デル・ロト 第676回例会

日時 2024年7月9日(火)午後6時30分より

場所 本門寺 霊山閣(奈良県大和郡山市筒井町1350)

ゲスト フリージャーナリスト 西 谷 文 和 氏

●お話と最新画像をご覧いただきます「ガザとウクライナ。路上からの報告」

詳細:https://www.facebook.com/events/467942852486430/

      


まだまだ先ですが、ぜひ、予定にいれてください♪ 

        ↓

☆あなたの水は大丈夫?~発がん性のPFASから身を守るために~

日時:2024年8月22日(木)18:30~20:40(18時開場)

会場:中央区文化センター 会議室1001+1002 定員 104人 

アクセス:JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から徒歩6分 神戸市役所西側

   https://www.kobe-bunka.jp/facilities/chuo/

参加費:1000円 (大学生以下、500円) *申し込み不要

講師:丸尾まき兵庫県議会議員

   パット・エルダーさん (PFAS問題に取り組むVFP市民会員・「ミリタリーポイズンズ」ディレクター)

   通訳:レイチェル・クラークさん(VFP終身会員)

第1部:兵庫県の水のPFAS汚染の現状を知ろう! 

PFASって何?兵庫県の水はPFASに汚染されているの?

身近な川、海、井戸水や水道水は?

自治体の発表するPFASの数値や独自調査を元に、

兵庫県の水の現状を丸尾議員が説明します。

                      

第2部:アメリカのPFAS対策の最前線を知ろう!

米国環境保護局はPFASの中でも毒性の強いPFOSとPFOAの基準値を1リットルあたり4ナノグラムとしました(日本の暫定指針値はPFOSとPFOAの合算で同50ナノグラム)。魚、野菜などへの汚染の現状、その意義と今後のPFAS問題解決へのアメリカの取り組みの最新情報をパット・エルダーさんにお聞きします。

  

問い合わせ:seven-generations@live.jp 

主催:Pfas汚染と健康を考える兵庫連絡会

協力:2024 VFPピース・スピーキング・ツアー実行委員会

詳細:https://www.facebook.com/events/498031749242478/



++ ++ ++ ++

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

++ ++ ++ ++



♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html


庭の紫陽花が美しい季節です


2024年6月22日土曜日

【第819号】ALARAとPFAS

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週6月20日に、有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価についての意見・情報の募集結果の回答案が公表されました。

今年2月のパブコメに意見を送る形で、私としては、できることは全てやるつもりで規制強化を訴えたのですが、

結果は、パブコメに寄せられた約4000件の意見を無視し、以前のまま。

欧州食品安全機関(EFSA)が2020年に設定した許容量、

体重1キロ当たり0.63ナノグラムと比べると、

今回の内閣府食品安全委員会が設定した許容量はPFOSとPFOAの合計は

40ナノグラムで、EFSAの数値の64倍となっているものです。


その回答案から、1カ所抜粋します。


一般に、食品中の汚染物質のリスク管理については、「ALARA(as low as reasonably achievable:合理的に達成可能な限り低く)の原則」に従い、“無理なく到達可能な範囲でできるだけ低くすべき”とされています。 PFOS 及び PFOA をはじめとする PFAS については、健康影響に関する情報が不足しており、不明な点等は多いことも考慮して、 まずは、今回設定した TDI を踏まえた対応が速やかに取られること(中略)が重要であると考えます。(p.24)*1



”無理なく到達可能な範囲”???

「合理的に達成可能な限り」が、なぜ「無理なく」と解釈されているのか?


このALARAの原則は、放射線被ばくでもよく使われるものですが、

その原則を確かめるために英語で検索してみました。


ALARA means avoiding exposure to radiation that does not have a direct benefit to you, even if the dose is small. *2

「ALARA とは、たとえ線量が少ない場合でも、直接的な利益をもたらさない放射線への曝露を避けることを意味します。」


直接的な利益とは、一般人ならば骨折の有無を確かめるために

被ばくしてレントゲンを撮るというようなものでしょう。


”無理なく到達可能な範囲”という和訳は、一体何でしょう?

役所が何もしなくて良いように?

企業が対策しなくても良いように?

住民はPFASに被ばくしろということでしょうか?


欧米はPFAS規制を強化しています。

なぜ、日本はその強化が「合理的に到達可能」ではないのか?

なぜ、日本の住民の私たちは、ヨーロッパの人々の64倍のPFAS被ばくを受け入れなければならないのか?


おかしいと思いませんか?



最後に、昨年訪日し、今年5月に発表された国連の「ビジネスと人権」作業部会の調査報告を抜粋してご紹介します。


作業部会は、東京、大阪、沖縄、神奈川、愛知で、PFASに汚染された水に関する複数の事例を聴取しました。


現在までに、我々は、PFAS に汚染された水源の近くに住む人々の健康調査を行う政府の取り組みは限られていると理解しています。


東京都が地下水調査の実施、一部の取水井戸の停止、ホットラインの設置など、前向きな措置を講じていることに注目しています。 もう一つの前向きな取り組みは、東京の私立病院が PFAS 相談クリニックを設立したことです。


汚染されたすべての地域で PFAS 汚染とその健康への悪影響に対処するには、国レベルでの追加対策が必要です。*3




PFAS に汚染された水源の近くに住む人々の健康調査と、

PFAS汚染源の特定と撤去、そして処理は、

合理的に到達可能です。



*引用サイト

*1有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案) についての意見・情報の募集結果について(回答案)

第9回有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ(2024/6/20)資料2

https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20240620so1


*2 Guidelines for ALARA – As Low As Reasonably Achievable

https://www.cdc.gov/radiation-health/safety/alara.html


*3 ビジネスと人権作業部会 訪日調査報告書 パラグラフ62&63

https://www.ohchr.org/en/documents/country-reports/ahrc5655add1-visit-japan-report-working-group-issue-human-rights-and


=関連ニュース=

■「PFAS」 政府として健康影響を初評価 内閣府食品安全委員会の作業部会

TBS NEWS DIG 2024/6/20

https://news.yahoo.co.jp/articles/ba1dc12c9a693040578e7e68db0ded043adf8b24


=関連サイト=

■7世代に思いをはせて【第810号】アメリカからの朗報に思うこと 

https://nanasedai.blogspot.com/2024/04/810.html

今年4月に発表されたアメリカの4ng/LのPFASの新規制値。

日本政府にも同様の規制を求めます。

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++ 今週の気になるニュース  ++


■高濃度PFAS検出巡り明石市長 市民への血液検査、助成検討せず

神戸新聞NEXT 2024/6/19

https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/202406/0017785551.shtml


明石川から取水した水道水を飲んでいた明石市民の血液検査結果

(9人中6人から健康を害するリスクが生じるとされるドイツの基準値を超える数値が検出された)を、市長はどう受け止めているのか?

昨年の記事ですが、再掲します。

      ↓

■発がん性指摘の有機フッ素化合物、明石川流域の住民から検出 

9人中6人が基準値超え 京大名誉教授らが発表

神戸新聞NEXT 2023/9/21

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202309/0016836485.shtml



上記で紹介した国連作業部会への政府(東京都)の反論への検証記事です。

■PFAS汚染への取り組みを批判した国連報告書に東京都が削除要求!

その反論内容を詳しく検証する

Slow News 2024/6/19

https://news.yahoo.co.jp/articles/3316a948e1086ee284876551ccf8a02d1ae7246c



あまり大きく報道はされなかったようですが、

原因不明の火災による冷却水の停止・・・これが、稼働中の原発だったら?

      ↓

■福島第一原発6号機冷却停止トラブル 火災が影響か 

福島テレビユー 2024/6/19

https://news.yahoo.co.jp/articles/215fa346bd74311128bdd024cc94353056a0f057




++ イベント紹介 ++


まだまだ先なのですが、アメリカのPFAS対策と、

兵庫県の現状を知るための学習会を仲間と企画しました。

ぜひ、スケジュールに入れてください。


☆あなたの水は大丈夫?~発がん性のPFASから身を守るために~

日時:2024年8月22日(木)18:30~20:40(18時開場)

会場:中央区文化センター 会議室1001+1002 定員 104人 

アクセス:JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から徒歩6分 神戸市役所西側

   https://www.kobe-bunka.jp/facilities/chuo/

参加費:1000円 (大学生以下、500円) *申し込み不要

講師:丸尾まき兵庫県議会議員

   パット・エルダーさん (PFAS問題に取り組むVFP市民会員・「ミリタリーポイズンズ」ディレクター)

   通訳:レイチェル・クラークさん(VFP終身会員)

第1部:兵庫県の水のPFAS汚染の現状を知ろう! 

PFASって何?兵庫県の水はPFASに汚染されているの?

身近な川、海、井戸水や水道水は?

自治体の発表するPFASの数値や独自調査を元に、

兵庫県の水の現状を丸尾議員が説明します。

                      

第2部:アメリカのPFAS対策の最前線を知ろう!

米国環境保護局はPFASの中でも毒性の強いPFOSとPFOAの基準値を1リットルあたり4ナノグラムとしました(日本の暫定指針値はPFOSとPFOAの合算で同50ナノグラム)。魚、野菜などへの汚染の現状、その意義と今後のPFAS問題解決へのアメリカの取り組みの最新情報をパット・エルダーさんにお聞きします。

  

問い合わせ:seven-generations@live.jp 

主催:Pfas汚染と健康を考える兵庫連絡会

協力:2024 VFPピース・スピーキング・ツアー実行委員会

詳細:https://www.facebook.com/events/498031749242478/

      



☆神戸市政カフェ@Zoom

「パレスチナへのジェノサイドをやめさせるために」

日時:2024年6月25日(火)の20時から21時まで(無料)


昨年10月から始まったイスラエルによるパレスチナへの攻撃は

人口約220万人のガザ地区で死者が3万6千人を超え、

大半の市民が移動を強いられる事態になっています。

戦争と言うよりも一方的なジェノサイド、民族浄化行為になっています。


この未曽有の人権侵害をやめさせるためにエドワード須本さんは

神戸市会に陳情を提出し、

今年2月21日に神戸市会は、

「イスラエル・パレスチナの武力紛争の速やかな平和的解決を求める決議」

をあげました。


今回の市政カフェでは、

さらに兵庫県会にも働きかけている須本さんの思いを伺い、

市会決議で尽力したあわはら富夫市会議員からも報告を受けることで、

市民に何ができるかを一緒に考えたいと思います。


参加希望の方は下記よりお申込みください。

      ↓

https://peraichi.com/landing_pages/view/tsunagukobe


※お問い合わせ内容欄に、「市政カフェ参加希望」とご記入ください。

メールアドレスに、当日の参加URLをお送りいたします。

主催:つなぐ神戸市会議員団



☆上映会「サイレント・フォールアウト」

日時:6/29(土) 13時半開場・14時上映開始

会場:ウィズあかし学習室801(定員81名)

   明石駅徒歩5分 アスピア明石北館8F

参加費:500円(学生・障がい者無料)

主催:脱原発明石・たこの会

詳細:https://fallout22.com/



☆ガザに平和を!市民集会in兵庫 

日時:6月30日(日)14時から16時

会場:神戸市立婦人会館『さくら』の間

参加費:500円(資料代)

*田浪亜央江さん(広島市立大学准教授)による講演

テーマ<ガザにおけるジェノサイドの背景と「パレスチナ解放」の射程>

*終了後 大丸百貨店手前までパレード

詳しくは、チラシをご覧ください↓

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02CMhKhkLRQeiE3C6JUBvFcaZZqiQJe4yr9ZiZKZb4sZVW2gEgpxAVv8Dy4854QFoel&id=100082149511401



++ ++ ++ ++

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html


水はすべての源
子どもたちのために守りたい



2024年6月15日土曜日

【第818号】ずっと欲しかったものなのに・・・

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★


今週も『虎に翼』からです。

毎回、それぞれに「刺さる」セリフがあるNHKの朝の連続ドラマですが、

私は、今週月曜日に再登場した、よねさんが「刺さり」ました。


よねさんのお店の壁に大きく掲げられた

日本国憲法第十四条 

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。


よねさんはしみじみと言います。

「ずっとこれが欲しかったんだ、私たちは。

 男も女も、(中略)貧乏人も金持ちも、みんな横並びで、それが当たり前の世の中。」


「欲しかったという割に、うれしくなさそうだな。」と戦地から生還した轟。


「これは自分たちの手で手に入れたかったものだ。戦争なんかのおかげじゃなく。」


自分たちの手で・・・

このずっと欲しかったものも、自分の手で手に入れられなかったばかりに、

「アメリカに押しつけられた」などと、言われ続ける日本国憲法。


よねさんの無念が、今に響いている気がします。


このエピソードはNHKプラスで6月17日(月)午前8:15まで視聴できます。

【連続テレビ小説】虎に翼 第11週(51)「女子と小人は養い難し?」

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024061010299?playlist_id=c22c2d62-0fa1-4890-b40d-9ce45598bdcf

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++ 今週の気になるニュース  ++


■処理水放出の差し止め訴訟 東京電力「権利は侵害されない」と主張 福島地裁

KFB 2024/6/13

https://news.yahoo.co.jp/articles/70fe35e7ba9307e8e70dcb2fa99d6ce32aa69e77

              ↑

東電は「原告団の権利は侵害されない」と言ったそうですが、

国連特別報告者は「クリーンで健康的、かつ持続可能な環境への権利」を考慮して、

再検討を勧告しています。

・国内避難民の人権に関するダマリー国連特別報告者による訪日調査報告書(2023)

 パラグラフ82の勧告をご覧ください。

https://www.hurights.or.jp/archives/investigation-report-2023/



利権のために税金が投入される一例でしょう。

            ↓

■もんじゅ敷地の研究炉、整備費1500億円規模 原発事故後初の新設

朝日新聞DIGITAL 2024/6/7

https://news.yahoo.co.jp/articles/76df04af4f7362040bf35ae833a5bcfcba6f1622



国民の声が活かされる政治を実現したいと、つくづく思ったニュースです。

            ↓

■再生可能エネルギー発電促進法を承認 スイス国民投票

AFP 2024/6/10

https://news.yahoo.co.jp/articles/7eeb0a3ecbb4f40469d8f9edfe4cc6112f58e385

「国際環境NGO「グリーンピース(Greenpeace)」は、原子力発電はもはや「時代遅れ」であることを意味する結果だと指摘。スイスの電力会社アクスポ(Axpo)に対し、「二つの原子炉とベズナウ(Beznau)原子力発電所の迅速かつ最終的な停止期限を設定する」よう求めた。

 同法は、現在スイスの発電量全体でわずかな割合しか占めていない風力発電と太陽光発電を増やし、また水力発電を早急に増やすことで、輸入電力への依存を軽減することを目的としている。」



国民の半数を占める女性の声を政策に反映させることが、

さまざまな問題を乗り越える第一歩かもしれません。

半数の国民の様々な権利が蔑ろにされている状態で、皆のための政治はできませんよね?

今週は、ジェンダーギャップ指数の発表があり、

アイスランドと比較する浜田敬子さんの記事を読みましたので、リンクします。

    ↓

■ジェンダーギャップ指数15年連続1位のアイスランドとG7最下位の日本との「明らかな差」

アイスランドで見えたもの1 前編 浜田敬子 2024.06.12

https://gendai.media/articles/-/131594




++ イベント紹介・再掲 ++


☆『水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法』刊行記念イベント

テ-マ「PFASの危険性について、まず知ることから」

ゲスト 著者の原田浩二先生×長瀬文雄さん(大阪PFAS汚染と健康を考える会事務局長)

開催日 : 2024年6月23日 日曜日

場所 : 隆祥館書店多目的ホ-ル@大阪・谷町

時間 : 15:00~17:00 

隆祥館書店多目的ホ-ルからリアル&リモ-トで配信

(要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)

 

リアルトークイベント

●費用:3,300円(内訳:参加費1,606円+「水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法」1694円

(5/23発売の本の配送につきまして 送料は、500円かかりますが受け付けしております。)

リモート・トークイベント

●費用:3,550円+(内訳:参加費1,356円+「水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法」1694円 送料及び手数料500円)

詳細:https://note.com/ryushokanbook/n/ne56d54695aec

      ↑

第二部では、明石川のPFAS問題を追っている丸尾まき兵庫県議も登壇されるので、

私も参加します♪



☆上映会「サイレント・フォールアウト」

日時:6/29(土) 13時半開場・14時上映開始

会場:ウィズあかし学習室801(定員81名)

   明石駅徒歩5分 アスピア明石北館8F

参加費:500円(学生・障がい者無料)

主催:脱原発明石・たこの会

詳細:https://fallout22.com/




++ オススメのテレビ番組・再掲 ++


「クローズアップ現代」のPFAS追跡第2弾です!

NHKプラスで、6月19日まで視聴できます。

                  ↓

■追跡“PFAS汚染” 汚染源は?健康リスクは?

初回放送日:2024年6月12日19:30~

https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/YNM8872WZP/

      ↑

解説の専門家は、ちょっと腰が引けながらも、日本も今より厳しい規制値が必要とか、

汚染された地域の住民の血液検査や健康観察は必要と言ってくれてました。

なによりも、明石川上流の神戸市西区の産廃業者を取材して、神戸市当局が知っているのに絶対に教えてくれそうになかった、排水のPFAS濃度情報を得て、グラフにまでしてくれていました。

その産廃では、浄水用の活性炭の交換を2倍にしたことから、排水のPFAS濃度は下がりましたが、そのような使用済み活性炭の行方、処分方法が、各地に汚染を広げている可能性があると、次の追跡への布石もありました。

今後の調査にも期待したいと思います。



++ オススメの動画 ++

■政府の無策のためにPFAS汚染が広がり続けている/諸永裕司氏(ジャーナリスト)

ビデオ・ニュース・ドット・コム 2024/6/8

https://news.yahoo.co.jp/articles/8a2fb876ed5c0250c97f1b8b0a5c29d4329842a5



++ 英語のブログを更新しました ++


青空のあなやるせなきため息か 

戦の空の薄い三日月

https://tankaagainstwar.blogspot.com/2024/06/



++ ++ ++ ++

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

++ ++ ++ ++



♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

ブログ「7世代に思いをはせて」https://nanasedai.blogspot.com/

メールマガジン「7世代に思いをはせて」(無料)の登録はこちら↓

https://www.mag2.com/m/0000273399.html


ずっと欲しかったものを探して、
アイスランドにまで行ったことを思い出しました。
最古の民主主義の議会とも言われるアルシングにて


2024年6月8日土曜日

【第817号】寅子を力づけたもの

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★


NHKの朝ドラ『虎に翼』をご覧になっていますか?


7日放送のエピソードで、主人公の寅子が、

日本国憲法の第11条から13条を口ずさみ、

「私にはこの憲法がある」と、自分を取り戻すシーンがありました。


日本国憲法

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。

この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、

現在及び将来の国民に与へられる。


寅子が力づけられたこの「人権の享有」。


人権と聞くだけでは、なんだかぼんやりとした感じですが、

もう少し、詳しく説明してくれている書籍に出会ったので要旨をご紹介します。


*岩波書店の『広辞苑』では、

人権とは、「人間が人間として生まれながらに持っている権利」とあります。


じゃあ、権利とは何かというと、小学館の『大辞林』では、

「ある利益を主張し、これを享受できることの資格」とのこと。


つまり人権は、

「人間が生まれながらに持っている利益を主張できる資格」ということ。*


じゃあ、利益を主張する先は?

それは最終的には政府ということでしょう。


生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。

                 OHCHR: 国連人権高等弁務官事務所


今週の寅子を見て、

以前、この人権の定義を聞いて、「人権は誰にでもあるんやね」と

涙していた女性を思い出しました。


大切な思い出です。

■7世代に思いをはせて【768号】人権は誰にでもある

https://nanasedai.blogspot.com/2023/07/768.html




*参考文献*

アジア・太平洋人権情報センター編 『人権ってなんだろう?』解放出版社 2018年


=関連サイト=

■人権とは? (OHCHR: 国連人権高等弁務官事務所)

国連広報センター (UNIC Tokyo)

https://www.youtube.com/watch?v=TXJNVM-nHqo

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++ 今週の気になるニュース  ++


■日の丸・君が代強制、国連の是正勧告が1年半も「放置状態」なのはなぜか 

そこに安倍政権の影響を見た

東京新聞2024年6月6日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/331743

      ↑

ことごとく国際人権関連の勧告を仮訳もせず放置し続ける日本政府の姿勢は、

日の丸強制だけではありません。

国内避難民の人権に関する勧告も、日本政府が訳さないから、私たち市民が仮訳しました。

でも、このような記事が出るのは、本当にありがたいです。

日本政府の姿勢ががどれほど国際法や国際社会に背を向けるものであるのか

どうぞ記事をご覧ください。



これほど税金をつかって、核分裂でお湯を沸かして発電する必要がありますか?ってことですね。

        ↓

■「原発事故の避難経路は国が確実に実施を」

新潟県の花角知事が原子力規制庁に要望 シェルターの設置も求める

BSN新潟放送 2024/6/6

https://news.yahoo.co.jp/articles/9aa0d6bf4d57ad8506ec45f635dcc52e4c9eb2bd



■PFAS(有機フッ素化合物)はなぜ体に溜まるのか、

小泉昭夫・京都大学名誉教授に聞く 2024/6/4

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/60f2ef8d2114e48a5aa7f6f20e9db76d4ef48052

「PFASはこの胆汁に溶けているので、腸管で胆汁と一緒に再吸収されてしまいます。

便で排泄されず体内をぐるぐる回るのです。 体内を回っているうちにPFASは、肝臓、腎臓などに蓄積され、肝障害や腎臓がんを引き起こしてしまいます。」


そのPFASについて規制強化の姿勢が見られない日本。強化が進む米国。

米国で汚染できないかわりに、日本で汚染するという構図になりかねない。

 ↓

■米国、PFAS汚染に浄化責任 識者「日本企業に影響も」

日本経済新聞 2024/6/6

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0205R0S4A500C2000000/




++ イベント紹介 ++


☆『水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法』刊行記念イベント

テ-マ「PFASの危険性について、まず知ることから」

ゲスト 著者の原田浩二先生×長瀬文雄さん(大阪PFAS汚染と健康を考える会事務局長)

開催日 : 2024年6月23日 日曜日

場所 : 隆祥館書店多目的ホ-ル@大阪・谷町

時間 : 15:00~17:00 

隆祥館書店多目的ホ-ルからリアル&リモ-トで配信

(要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)

 

リアルトークイベント

●費用:3,300円(内訳:参加費1,606円+「水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法」1694円

(5/23発売の本の配送につきまして 送料は、500円かかりますが受け付けしております。)

リモート・トークイベント

●費用:3,550円+(内訳:参加費1,356円+「水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法」1694円 送料及び手数料500円)

詳細:https://note.com/ryushokanbook/n/ne56d54695aec

      ↑

私も参加します♪



☆上映会「サイレント・フォールアウト」

日時:6/29(土) 13時半開場・14時上映開始

会場:ウィズあかし学習室801(定員81名)

   明石駅徒歩5分 アスピア明石北館8F

参加費:500円(学生・障がい者無料)

主催:脱原発明石・たこの会

詳細:https://fallout22.com/



☆ドキュメンタリー映画上映会

 放射線を浴びた「X年後」「X年後2」

日時:2024年6月16日(日)13時開場

 放射線を浴びたX年後  13:20~14:45

 放射線を浴びたX年後 2 15:00~16:30

会場:宝塚市立男女共同参画センター 1AB

  (阪急・JR宝塚駅下車ソリオ2 4F)

参加費: 300円 (当日映画上映カンパお願いします)


1954年米国が行ったビキニ水爆実験による第五福竜丸の被ばくを知る人は多いですが、この船以外の漁船の乗組員も多く被ばくしたことはあまり知られていません。歴史から葬られようとしていたこの事実を高知県の高校教師や生徒が調査、地方テレビ局のディレクターであった伊東英朗監督が長期取材し「X年後」というドキュメンタリー映画を製作しました。

そしてこの「X年後」を見たある若者が、元漁師だった父の36才という若さでの死に疑問を抱き、放射線防護学の専門家と共に調査をし、続編「X年後2」の映画が生まれました。

放射線を浴びるというのはどういうことか。核をめぐっての国のあり方が問われる今、映画を見て、核のこと、被ばくのことをご一緒に考えたいと思います。

1本だけの鑑賞も歓迎です。お誘い合わせてご来場ください。

主催:原発の危険性を考える宝塚の会

詳細:https://genkinokai.exblog.jp/




++ オススメのテレビ番組 ++


「クローズアップ現代」のPFAS追跡第2弾です!

■追跡“PFAS汚染” 汚染源は?健康リスクは?

初回放送日:2024年6月12日19:30~

https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/YNM8872WZP/

「自然界でほとんど分解されず“永遠の化学物質”と呼ばれる有機フッ素化合物=PFAS。去年、高濃度のPFASが水道水から検出されたことが明らかになった岡山県吉備中央町。検査を受けた住民の血中濃度の平均は健康リスクが高まるとされる値の9倍以上に。住民の病歴などから健康への影響を検証。さらに、国が“98%は不明”だとする汚染源を徹底取材。産廃処分場や在日米軍基地など関連が疑われる施設と汚染との関係を追跡。」


私を驚愕させた昨年4月の「クローズアップ現代」のPFAS追跡第1弾の内容は、

こちらからお読みいただけます。

      ↓

■追跡“PFAS汚染” 暮らしに迫る化学物質

2023年4月10日(月) https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4767/




++ ++ ++ ++

 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

++ ++ ++ ++



♪ 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 ♪




♪♪ 発行者プロフィール ♪♪

小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

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毎年、沸き立つように庭に伸びるギボウシに、
力づけてもらっています。


2024年6月1日土曜日

【第816号】司法の役割とは?

 「どんなことも7世代先まで考えて決めなくてはならない」

ネイティブ・アメリカン(イロコイ族)の格言 

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今週は原発賠償関西訴訟の原告本人尋問の傍聴に行きました。

このような原発賠償訴訟では、いつも東京電力の代理人は、

「たいした放射線量でもないのに原告が勝手に逃げた」と言いたいのか

(具体的な数値を見れば、避難の相当性は十分あるのに)、

2011年の夏頃の福島県の市町村の広報誌を見せて、

「現在の放射線量では健康に影響は考えられないので安心してくださいと市長が言っていたのはご存じか?」とか

「2011年には夏祭りが行われたのは知っているか?」と質問してきます。


この日の最後に本人尋問に立たれた男性の原告が、

弁護士から「最後にこの裁判に期待することは何ですか?」と聞かれ、

その返答がとても重要な指摘だったと思うので、ご紹介します。(私の記憶頼りですが)


「私の住んでいた郡山市からの広報にある放射線などに関する情報は、

ある意図を持って出されていた情報だと思います。

郡山市は市民がいなくなったら、行政区として存在できませんから。


行政が行政を守るために出した情報が、

人々の権利を侵害したとき、

それを糺すことができるのが司法だと思います。


そのとおりです。

だから、行政、司法、立法と三権は分立しなければならないのです。


行政による放射線に関する情報の隠蔽、矮小化は、

国内避難民の人権に関する特別報告者も、その訪日調査報告書で指摘しています。


政府調査によれば、避難区域の決定は厳密には科学的なプロセスではなく、

放射線の危険があるすべての地域を網羅しているわけでもない。

事故に関する詳細な情報の提供に政府が消極的、

時には矛盾したメッセージを発したことで住民の信頼は損なわれた。

その後の調査で重要な情報が隠蔽されたり軽視されたりしていたことが明らかになり、信頼はさらに低下した。

したがって、多くの住民は、無計画かつ遅滞した公式の避難指示を待つのではなく、避難について自分自身で決定しなければならなかった。」*(パラグラフ15)



司法は、その役割をしっかり認識して、

健康への権利や情報への権利を蔑ろにし続ける

行政の罪を断じてほしいと強く思います。



*引用文献

■国内避難民の人権に関するダマリー国連特別報告者による訪日調査報告書(2023)

国内避難民の人権に関する国連特別報告者による訪日調査を活用する会・仮訳

https://www.hurights.or.jp/archives/investigation-report-2023/

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++ 今週の気になるニュース  ++


最高裁はほんとうに司法なのかと疑わざるを得ない記事です。

      ↓

■「東京電力と接近した最高裁に“東電刑事裁判”の公正な判断ができるのか」

問い続ける福島の被害者と弁護士

JBPress 2024/5/28

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81230



■福島県が東電への損害賠償訴訟取り下げ

共同通信2024/5/29

https://news.yahoo.co.jp/articles/7693ac44d47a4a621458d6e2cce72b32a9faf34a

「福島県は29日、東京電力福島第1原発事故に対応するために生じた人件費など約9千万円の損害賠償を東電に求めた訴訟を、取り下げたと発表した。」

      ↑

借り上げ住宅の原発避難者は裁判起こして、

国連特別報告者から「人権侵害の可能性がある」と報告されてでも、追い出すのに、

東電への9千万円の損害賠償請求は訴訟取り下げるとは?

「人権侵害」については、上記のダマリー報告書のパラグラフ69をご覧ください。



■「PFAS汚染源はどこ」市民団体が相模原市に情報開示求める

「市民の健康に関わる人権と知る権利」の問題

altera 2024/5/29

https://news.yahoo.co.jp/articles/e1b588e740b3dbc98b7c6242351e9f00f4d0db38

      ↑

リンクをクリックしてもらうとわかりますが、情報開示された書類は、

真っ黒に塗りつぶされた、いわゆる「のり弁」でした。

私たちの健康に直結する問題を隠蔽する。

これも、私たちの健康への権利、知る権利への権利の侵害です。



■国連の作業部会「人権尊重の認識不足」 日本に人権機関設置を勧告

朝日新聞DIGITAL 2024/5/30

https://news.yahoo.co.jp/articles/2d80e0187063cebb4e0ca4b68f6a7cf10ed74bda

    ↑

詳細な事例は、「差別」に関するものだけでなく、PFAS汚染者責任や、原発事故除染作業者について、内部告発者の擁護体制の脆弱さなど多岐にわたっています。

そのような様々な権利の集合体が人権だということを、記事で言及されている地方の企業だけでなく、メディアも政府も理解していない・・・

だから、国内人権機関の設置を勧告されているのです。


事故があれば、被ばくさせられる私たちの声を無視して原発を動かすことも、

私たちを人間として見ていないということ。

決定のプロセスに被害を受ける当事者を参加させないことは、人権侵害です。

      ↓

■高浜3、4号機も60年運転可能に 20年の延長、規制委すべて認可

朝日新聞DIGITAL 2042/5/29

https://news.yahoo.co.jp/articles/05cabe16f82245d6e3d9158e587008ecda000afb




++ イベント紹介 ++


デモも権利を訴えるための大切な行動です。

私は参加できませんが、京都と大阪のアクションをご紹介します。


☆「核汚染水海洋投棄ストップ!!!世界市民行進」

2024年6月8日(土)行進(雨天決行)

14時集合 京都市役所前

14:30 出発(出発前にアピール行動あり)

行進コース 京都市役所前→烏丸五条付近 解散地点

詳細は、核汚染水ストップ世界市民行進ブログ

https://glomajp.livedoor.blog/ にて随時お知らせします。

主催 GLOMA JAPAN実行員会   

連絡先 gloma2024@gmail.com

協賛 汚染水を海に流すな!関西ネットワーク


☆6・9(日)とめよう!原発依存社会への暴走 大集会 

 ~地震も事故もまったなし~      

◆集 会:13:00

◆デ モ:14:30   難波まで (終点・元町中公園)

◆ところ:うつぼ公園(東園)/大阪市西区

◆主 催:老朽原発うごかすな!実行委員会

https://blog.goo.ne.jp/takahamakarakanden



☆ドキュメンタリー映画上映会

 放射線を浴びた「X年後」「X年後2」

日時:2024年6月16日(日)13時開場

 放射線を浴びたX年後  13:20~14:45

 放射線を浴びたX年後 2 15:00~16:30

会場:宝塚市立男女共同参画センター 1AB

  (阪急・JR宝塚駅下車ソリオ2 4F)

参加費: 300円 (当日映画上映カンパお願いします)


1954年米国が行ったビキニ水爆実験による第五福竜丸の被ばくを知る人は多いですが、この船以外の漁船の乗組員も多く被ばくしたことはあまり知られていません。歴史から葬られようとしていたこの事実を高知県の高校教師や生徒が調査、地方テレビ局のディレクターであった伊東英朗監督が長期取材し「X年後」というドキュメンタリー映画を製作しました。

そしてこの「X年後」を見たある若者が、元漁師だった父の36才という若さでの死に疑問を抱き、放射線防護学の専門家と共に調査をし、続編「X年後2」の映画が生まれました。

放射線を浴びるというのはどういうことか。核をめぐっての国のあり方が問われる今、映画を見て、核のこと、被ばくのことをご一緒に考えたいと思います。

1本だけの鑑賞も歓迎です。お誘い合わせてご来場ください。

主催:原発の危険性を考える宝塚の会

詳細:https://genkinokai.exblog.jp/




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 素晴らしい夢をみて、それを行動に移せ

                       ナバホ族の格言 

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小橋かおる 「花と爆弾-もう、戦争の暴力はやめようよ-」著者。

2004年の出版以来、アフガニスタンとイラクの子どもたちの支援を続けています。

2011年からは福島の子どもたちの健康を守る活動も支援させてもらっています。

さよなら原発神戸アクションの共同世話人も努めています。

できることをコツコツ、じわじわ続けたいと思います。

「花と爆弾」HP:https://hanabaku.blogspot.com/ 

ブログ「花と爆弾」Words for Peace: http://flowersandbombs.blogspot.com

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大阪地裁正門の南側に見える景色です。
高速道路の高架の隙間から。